鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

価格交渉

   

 私の会社は、主に国内の農産物を原料に、缶詰やゼリーその他の加工食品を生産販売している。
そのため、一番の仕事は、季節ごとに訪れる農産物を如何に仕入れるかが経営を左右する。
 もちろん、販売も重要だが、販売については受注は予め分かるし、価格も相場と言うものがあり、そんなに変動するものではない。
しかし、農水産原料は、そうはいかない。
 その年の気候変化や、需給状況で収穫量も、時期も、品質も、価格も変わる。
仕入れる方法は、その時々の価格で買い入れる場合、先に価格を決めて買う場合、そして取りあえず信用で仕入れて、後で価格交渉をする場合の3通りがある。
 普通の原料資材は、先に見積もりを取って必要量だけを発注するが、それとはかなり異なる。

今日は、夏風邪で対中が悪い中、その後決めの価格交渉に行く。その後に飲み会が設定されていることも分かっている。
もう、この仕事を長くやってきて、社長になってからも続けているが、それは、これが重要な仕事の一つ。

 価格交渉で大事なことは、全部こちらが得しようとしないこと。
長い目で見て、出来るだけお互いが納得できるところで折り合いをつける。殆どの場合、こちらは一人だが、先方は生産者団体の代表数名が交渉に臨む。だから彼らの顔を立てるのも大事。
 交渉に臨む前に、ちゃんと採算を計算をして合意価格の幅を決めて臨む。安ければいいというものでもないし、決して相手を言い負かしてはいけない。
 競合相手がいるから、その年は上手く行ったと思っても、彼らが納得していなければ、次の年も仕入れができるかわからない。
 とにかく、信頼関係を築くことが、結局は安定して、体組成計より有利に仕入れる秘訣だ。
だから、共通の課題を熱く語りあい、一緒に飲んで。。。だからと言って飲めばいいというものでは決してない。相手が気に入らないことも、ちゃんと理解を得るまで語ることが大事。

 よく、交渉に当たって、「儲からないから、赤字だから」と言うが、それは浅はかな手法。
将来共に、安心してもらうためには、皆さんの生産物のお陰で、ちゃんと利益が出ていると言った方がいい。

 他の業界もそうだと思うが、農水産物の仕入れを思うように出来るようになるには、やはり最低でも5年くらいかかる。
これが年間で、種類数と仕入れ先数の分だけ交渉に臨むことになり、その回数飲むことになる(笑)
 この仕事には資質的に向き不向きがある。硬軟持ち合わせることが大事。昨年から、見習いが同行して勉強中!

 - 経営

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