株安原油安柿安
世界が原油安と株安に揺れている。
原油は、1年くらいの間に、1バレル高値100ドルから暴落して30ドルを切った。お陰様で、市中のガソリンは160円台が120円を切っている。
我々庶民にとっては良いことだし、燃料の値下がりは、製造業や運送業などの企業の生産コストも押し下げて、利益要因となる。暖房を要する農業や燃料コストの大きい漁業。
なのに、産油国でもない日本の株式が暴落している。
なぜ、原油価格が下がって困るのか。なぜ株が下がるのか。
それは、どちらも投資の世界だからだ。先物投資と言うが、聞こえのいい博打かもしれない。
もちろん、アメリカもシェールオイルで大きな産油国になったから、その関連の企業にとってはマイナスになる。しかし全産業的には、コストが下がり、国民の可処分所得が増えて、消費も伸びることでプラスになるはずだ。
しかし、世界は、そう簡単ではない。もう、世界中の欲が絡み合っていて、国内が良くても影響を受けてしまう。
まず、一番の不安は、原油や資源の輸出で財政を維持している国が相当あること。
中東や東南アジア、アフリカ。今までは、資源価格の高騰で莫大な収入を得てきただけに、失礼だが、土地成金と同じで、大判ふるまいしたり、無駄使いして、本来やるべき努力をしていない。
だから、急に収入が無くなった時、パニックになる危険性が大きい。
そうなれば、どうにか平穏を保っていた国々に、暴動が起きたり、延長線上では戦争が始まる危険性さえ出てくる。
それらの国々の財政破たんは、その国に対する輸出国にも大きなマイナスになる。
その国々に、貸し付けや投資をしている他国の金融機関や他国そのものにもマイナスの影響がでる。
そういう不安を先取りして株価が下がる。
原油も下がる所まで下がれば、いずれは上がるのは確実なのだが、その時期がわからないから、やっかいで、更なる不安の連鎖となる。
我々のように、余分な金がなければ、当たり前に仕事をして、心配する投資もないので、余分な心配もない。
それでも、関係ないところから影響を受けるのが現代。普段から、それを回避するようにしておくことが肝要。