鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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八女伝統本玉露

   

 本玉露というのは、前に書いたように、茶木に覆いをかけて、葉を手で摘み取りって仕上げた緑茶で、茶に独特の香りと甘みがあるのが特徴で、八女の玉露は全国でも評価が高かった。実際、玉露の日本一は近年ずっと八女の生産者が受賞していた。
 その八女の玉露茶が、今回、農水の「地理的表示登録産品」認定8品の中の1品に登録された。

お茶は、年々消費量が減っている。
 一番の原因は、飲料の種類が増えたこともあるが、やはりお茶をペットボトルで飲むことになったこと。
若い家庭には、急須がない。ペットボトル用のお茶は大量生産型の安価な茶葉で、輸入品も多い。
 国産茶葉の消費の減少に合わせ、お茶の生産量も減っている。
お茶の生産量では、約半分を占める静岡が一位、二位が鹿児島、後は、三重県や京都、熊本、佐賀などがあり、福岡はそのあたりだと思う。
 お茶県で有名な静岡や京都では、宅地化などでお茶の主産地の園地が激減している。
八女は、生産量は少ないが、前述のように、玉露などの高品質高級茶で、その名が通っていたし、地域がら地形がら、それに比べれば、茶全体としてはまだ園地が維持されている。

 ここにきて、登録されたのは嬉しいが、残念なことに、時が遅い!!遅すぎる。
本玉露は人手が要るし、生産量も少なく、年々減少しているのが現実。お茶の商売は成り立っても、生産農家が成り立たなくなっている。
 今回の認定で、減少に歯止めがかかればいいのだが。。。。ただ、八女の茶業関係者にとってグッドニュースであることには間違いないし、八女の人間としても、八女と言う地名が広まることは、いろんな場面で有益なことだと思う。

 今、国がTPPを進めるに当たり、農業に対していろんな優遇策を取り始めたし、これから進むことだろうが、遅い!!
消えかかった火を再び燃え上がらすには、燃えていた時の何倍もかかる。既に燃える木が無くなっているかもしれない。
 私は、来客や上京などのお土産には、自社の商品があっても、八女茶に決めている。微力だか応援しているつもりだし、八女茶は八女を代表する産品だと思っている。
これからは、この話題で、このお土産にも付加価値が付くかも。
 国に対して言っておきたい。農水産物はJAだけで成り立っているものではない、加工業者や流通、小売業者も含めたところで応援しないと、将来に繋がる効果が出ない。

 - 政治経済, 農業, 雑記

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