鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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猪の鹿サル

   

 わが八女市は福岡県で2番目に広い。
街部から山手まであるが、その街の近くまでイノシシが出るようになった。
 田畑の作物を食い荒らす被害が多いので、市の補助で田畑の周りは柵が設けられている。数年前には考えられなかった風景だ。
イノシシだけではなく、ついに鹿やサルまで出るようになった。
イノシシは元々、この辺の山で出没していたのが、山に餌が少なくなって麓に降りてきたようで、サルは大分の高崎山のはぐれサルが渡ってきたのだろうと言う。
 しかし、この辺の山中に鹿がいたなんて今まで聞いたこともなかった。
確かに、この辺の地名には、山鹿・鹿北・鹿伏・鹿子尾などと言う地名があるから、昔から生息していた可能性はある。
 
 いつの間にか、人間は、「人は平地に住むもので、獣は山中にいるべきもの」と勝手に決めてしまっているが、動物からしてみれば、どこに行こうと、どこに住もうと俺たちの勝手だと言いたいと思う。
 ただ、頭のいい者、強い者が自分の都合のいいように物事を決めるのは、人間対動物だけではない。人間同士でも同じこと。
繁栄を持続するためには、社会主義・共産主義は結局通用しなかったし、平和主義も通用しない。
 だから今でも世界各地で紛争が起きるし、中国が軍備増強を図るし、日本が防衛力増強を叫ぶ。

 ところで、イノシシの害は、雑食の為、何でも食べ荒らすこと。たけのこ、みかん、イモ、キウイ。。。特に困っているのはゴルフ場、ミミズが好物で、芝を掘り起こしてしまう。
だから、この辺のゴルフ場は殆どが電気柵を巡らせている。
 野生動物が増えるのは、人間と違って子供を作るのに1年待つ必要がないからだ。お腹にいる時間も少ないし、一度に生まれる子供の数も多い。
 サルは、大食ではないが、人家まで来ていたずらしたり、人を威嚇したり、時に傷つけることもある。

やっかいなのは鹿だ。
 イノシシやサルは、果物や野菜を食べるだけだが、鹿は果物の木の皮を食べる。
木は、芯の周りに樹皮がついており、その樹皮細胞を、根から吸収した水分や養分が通ることで成長や実を着けるが、鹿はその皮を食べる。
 皮を食べられた木は、上部に水分や栄養が行かないので、実がならないだけでなく、いずれ枯れてしまう。

 彼らが言葉を理解して、理性があれば共生できるのだが、人間社会の農家としては生活を守るためにはある程度駆除しなければならない。
 市町村によっては、害獣と呼ばれるイノシシやシカを、牛や豚のように調理できる施設を設置したところもある。
その肉を使った料理はジビエ料理として少しずつ普及している。ただ、寒い時期の肉は脂が乗って美味しいが、夏場はパサパサとして不味い。
 止むおえなく奪った命は、廃棄するより、食材として役立った方が成仏するのではないか。これも人間側の発想だが。
しかし、飼っている動物は食べるのに、野生の動物を獲ろうとすると何とか団体からクレームが出る。でも野生の魚は食べる。
 豚や鶏は食べるのに、犬や文鳥は食べない。祖先であるアフリカの奥地にはその区分けがない。
その分別をするようになったのは、現代人の理性なのか利己なのか。

 - 社会, 雑記

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