鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

元少年Aの手記

      2015/07/30

 どうしてこんなことになるのか。
過激な言い方かもしれないが、元少年Aが当時成人であったら、死刑になっていたかもしれない残虐な事件。
 何の罪もない、ただ遊んでいた子供を遊び半分に次々に殺害して身体の一部を切り取って晒し者にした事件。
その人間が、18歳に達していなかったというだけで、期間を経て一般社会に解放され、自分と事件を書いた本を発刊した。
 その人間を許すのは、裁判所でも世間でもない、殺された子供の家族だ。

 私が、許されないと思うのは、その本人より、発刊に手を貸し、利益を上げようとするやからである。
よく、殺人事件で、その時の精神状態は正常ではなかったということで、罪を免れたり軽減されたりするが、そもそも人を殺す時に正常であるはずがない。
 鬼か悪魔から生まれてこない限り、そんな人間は、もともといない!
殺されたものは、どうなるのだろう。もっと生きるはずだった人生や、学校や旅行ともっと楽しむべきだった人生。
 誰かと恋をして、結ばれ、更に子供ができるはずだった人生。

こういう事件があると、必ず報道の自由や表現の自由と叫ぶ。
 仮に、発刊した業者が、この元少年Aをそそのかし、本を出すために手記を書かせたとする。
今の日本人なら、報道が広がれば広がるほど、被害者家族の心情は考えず、興味本位に本を買う人間は必ずいる。
 人口1億2千万の内、買う可能性のある年代20歳から70歳前後の人口が6千万人いるとして、100人に1人に売れても60万部が売れる、ベストセラーになる可能性もある。欲得だけでそう考えても不思議ではない。

しかし、彼らは発刊した後のことを考えたことはあるのか。
殺された子供の親族や友達の心情はもとより、例えば、これを読んだ、ある少年が、どうせ死刑にもならず、いずれ社会に出れると思って、同じような殺人を起こすきっかけになったら。
 例えば、これを読んだ人間が、模倣犯となって殺人を起こすことになったら。
どう責任をとるつもりなのだろう。
 

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