806 秋
数十年振りの超大型台風と前触れのあった台風10号も、それほどの被害も無く通過してくれた。台風を境に、随分朝夕が涼しくなり、夜は寒いくらいになって、いよいよ本格的な秋の気配を感じるようになった。
秋と言えば、昔から収穫の秋、実りの秋と言われ、私たちの子供の頃は、野山で、椎の実やあけび、やももなどを食べていた。この辺では、栗・梨・桃・ぶどう・柿・いちじくなどの収穫の真っ盛り。早物のみかんやキウイも、もうすぐ収穫が始まる。
実りの秋の象徴である稲も穂を垂れてきた。今年は水にも陽にも恵まれ、出来がいいようだ。米作農家は、今度の台風で稲がなぎ倒されるのを心配していたが、不思議なくらい、どこの水田も稲は真っ直ぐ立っている。
ここ暫くは秋雨前線の為、雨が降るようだが、今から11月半ばまでの約2か月が、一番過ごしやすい季節。スポーツにも旅行にもいい。近年は、暑い日が遅くまで続き、一挙に寒くなるので、そのありがたい秋の期間がどんどん短くなっている。だから折角のいい季節を乗り遅れず楽しんだがいい。
そう言えば、収穫の秋だが、この頃はイノシシにとっても収穫の秋(笑)。梨も栗もみかんも、殆どの果物が食い荒らされるので、耕作地の周りには市の補助でフェンスを張ったり、電流策を張ったりしている。イノシシに対してはある程度の効果があるようだが、今度は、フェンスの下から、上から、アナグマやカラスがやってくる。
人間が、明治以来、急速に荒野や雑木林を開拓して民家や農地を広げて行くと、そこに住んでいた野生の動物は山奥に追いやられ、しかも、猟の餌食となって姿を消していた。今度は、動物保護ということで猟が制限され、猟をする人自体がほとんど居なくなり、農業放棄地も増え、更に山間部から人が都市部に移り住むようになり、甥やられていた動物の攻勢が始まった。
町の中までイノシシやサルが進出し、今まで見たこともなかったアナグマやシカも見るようになった。地球の歴史が変遷してきたように、今の流れからすると、近い将来、日本の田舎は人が居なくなり、民家も農地も放置され、やがて原生林に戻り、野生動物の楽園になるのだろう。それはそれでいいのだが、野生動物の出産度合を考えると、増えすぎるのも問題だろう。あくまでも、人間社会を中心に考えた場合だが。
前号で書いたように、服用抗がん剤に替えてから半月以上になったが、やはり、飲み薬のせいか、心配していた口内炎が発生するようになった。ただ、暫く止めていた「蜂蜜」を飲んでみると口内炎に対する効果はバツグン。
やはり、薬草でも動物由来でも、自然の抽出薬が副作用も無く一番効くようだ。昨日は、友人から、いちじく「とよみつひめ」を沢山貰った。いちじくのように、白い粘液の出る果物や、おくらなどの粘り気のある野菜も体にいいというので、思い込みで食べている(笑)。