805 菅総裁誕生
安倍さんが体調不良で首相を辞任することを発表し、菅官房長官、石破元幹事長、岸田元外務大臣が自民党総裁候補に名乗りを上げた。正式には明日14日に選出となるが、99%菅さんの当選が確定している。
国会議員票で、すでに勝負はついていたが、石破さん頼みの地方党員票も、今日の時点で2倍近くを菅さんに持って行かれた。顔は怖いが、演説を聞いても菅さんより圧倒的に発信力があるし、中身も国民から支持される内容だし、自分の声で語っていると、みんなが受け止めたはず。
国内外に対して張ったりも効くと思うが、やはり、政治の世界は違うようだ。政治家は、偉くなって自分の言い分が通って何ぼの世界。地元のためにも力をつけて、それなりの実績を残さないと地元の支持を維持できない。そうなると、政務次官や大臣に抜擢してもらえる位置にいないと、いつまでも平議員のままだ。だからその可能性のある派閥に所属して、その力のあるボスに寄り添うことになる。
今の石破さんは、自民党幹事長や防衛長官、地方創生大臣など、重要な閣僚を経験しながらも、長く主流派を離れ、しかも今の内閣に批判的であるため、将来大臣になりたいと思う議員は寄り付かない。地方票が取れても議員票が取れないのは、バカ正直なところと、理屈っぽいところ、それに田中角栄の門下なのに、仲間作りが下手な所が致命傷となっている。
私は、今回の選挙で石破さんになったら、今の国民に不信感を持たれている政治が変わるのではないかと思って期待したのだが、数が物言う選挙だから衆参600人の国会議員中、わずか19人の派閥では勝ち目は無い。例え、総裁になり、総理大臣になっても、今回菅さんを支持した各派閥を敵に回しては内閣が不安定となり、政治が混乱する可能性が大きい。
つまり残念ながら、今まで通り、長い物に巻かれろということになる。それを打ち破った田中角栄や小泉進一郎には、尋常でない力と魅力と信念があったということだ。
菅さんも、そんなに不適任でもなさそうだ。今までのように説明責任を果たすという面では疑問を感じるが、このコロナと経済不振の時期に、政治が安定するのは不可欠だし、そのためには、何も変わらないだろうが、菅さんが引き継ぐしかない。演説ではパッとしなかった菅さんが、討論会で言った大都市一極集中の是正と、地方再生に期待するしかない。
いろいろ言っても、所詮、力をつけてより多くの味方をつけた者がトップに立つ。それに対応して、力のない者は、寄らば大樹の陰となる。願わくば、会社でも政治の世界でも、そのトップとなった人物に、それに相応しい知力と信念、更には正義感と愛情と庶民感覚が備わっていることを願うばかり。
口径抗がん剤を飲み始めて半月が過ぎた。飲み薬は、飲んだ後暫くは、腹部に多少の痛みや吐き気がある。朝飲んで、それが収まった頃、また夕方服用する(笑)。味覚に異常は無く、食欲があるのは助かっている。ここ数日は、家の周りのことを半日やって、半日は休養という生活。なかなかやり始めると切がない。そろそろ、絵も再開したいと思っている。そういえば、このところ家に飾るのにプロの絵をオークションで買い集めた。美術館に行かずとも好きな絵を好きな時に観れるのがいい(笑)。もう、これからは買う物も無いし、最後の買い物だと思う。