763 コロナ後の明暗
今日は間違いなく日曜日。闘病生活をしていると曜日の感覚が分からなくなることがある。いかに生活のリズムや労働が健康的であるかを実感する。ただ、これが50歳代だったら、厳しいかもしれないが、現代の模範定年の65歳を過ぎていることが、その焦りを取り去ってくれる。友人の8割は、既にリタイアして自適に生きている。1951年生まれのその年は正に戦後復興期。日米安全保障条約が締結され、日本航空が設立。第一回紅白歌合戦開催。朝鮮戦争による特需によって日本が復興の足掛かりを得た年でもある。
このところ、コロナ以外でニュースになっていた黒川検事長の話も、賭けマージャンで辞職という腰折れ幕引きになってしまった。このまま、「そうでしたか」では、国民もコケにされたようで済まないだろうことを期待したい。黒川さんも、定年延長を受けなかったら、こんな晩節を汚すような辞め方はせず、その後も著名な弁護士として活躍していたかもしれない。何でも無理をすると、歪ができるのは道理。年を追って、安倍一強の歪も顕著になりつつある。我が国は、こんなにもリーダーになり得る人材が居なかったのか。
前回も書いたように、国民性の成すところにより、我が国は比較的早く、緊急事態宣言を解除することになった。緊急事態宣言、特に自粛の内容については、本当にあれが正しかったのかは疑問の残るところだが、ことが事だけに、だれも異論を唱える人はいないようだ。私個人としては、飲酒が主とならないレストランや料理店。学校、オーケストラなどのコンサート、野外活動については、予防措置を工夫すれば、完全自粛する必要はなかったと思っている。勿論、そういうと、反論の方が多いと思うが(笑)。
これからが、大変だ。国民の中にはしっかり洗脳され、コロナ感染恐怖がしみ込んでいる。この間、日常生活、特に学校に行かない。外食しないなどの習慣が根付いた。解除になっても、休校中の家庭内問題や登校拒否なども心配される。また、外食関係も当分は厳しい経営を続けることになるし、解雇休職の労働者もコロナ前の生活水準にはすぐに戻れない。観光業者も観光地も地獄のような日々が少なくとも今後2か月は続く。
そんな中で、全く逆の業種もある。食品スーパーは、家庭で食事を取り、子供の昼食まで家庭内になったことで、売り上げは総じて増えている。ネットの利用が増え、ゲーム配信やソフト関係、通信も売り上げを伸ばしている。つまり、家庭の外の商売は総じて厳しいが、家庭の中の関連、それに必要な食材などを扱う商売は好調と明暗が分かれた。
恐らく、今後も、生活様式の変革を政府が勧める以上、どちらの路線かによって明暗が分かれる。学校教育でも、各生徒全員がタブレットを持つような時代になれば、I T 産業、つまりソフトと通信とハード生産企業は益々事業を拡大させる。また、物も食事も宅配を頼む家庭が増えて、これも、その方面の企業には有利な条件となる。これからの I T 関連は買いだ。ただ、ソフトバンクは当面無理だ(笑)。
海外旅行は、当面敬遠されるから、自粛ムードが解凍したら、国内の観光地は思ったより復活する可能性がある。料理店や居酒屋は、日本人の性格から、どんなに様式を変えろと言っても、恐らく早ければ3か月、遅くとも今年の年末には戻るだろうが、スナックやクラブは、余程の常連客や企業客を持たない限り、恐らくコロナ前の3割程度の店は不要になる可能性が高い。こんな事態の時に、店の経営者や店長の能力が試される。
また、密集した都会に住むのを考え直す人も多いかもしれないし、自分で食べる野菜くらい作ろうと思う人も出て来るかもしれない。世界の農産物生産国の感染が広がっている中、生産もそうだが物流も難しくなる事態も考えられる。また、安全安心な食べ物として、生で食べる野菜くらいは。今なら、地方では、ただ同然で畑が借りられる。買ってもただ同然(笑)。
これまでは、便利さや就職、チャンスなど、大都市が断然有利と思われていたが、今回の事態で、初めて、地方の安心面や有利さを実感し、今後の明暗の明を確信した。いずれ、テレビ電話やテレビ会議が主流となり、ホームワークも増える。元より工場は地方の方が有利。教育環境も緑が多く、危険機会の少ない方がいい。宅配も今以上に進む。そうなれば、益々あの満員電車通勤と、狭くて高い住宅、排気ガスで肺癌リスクの大都会に住む理由は無くなる。
パソコンに向かって、鶴の一声を書いている私の部屋の、窓からの景色全て、緑の樹々しか見えない。聞こえるのは風と小川の音。それに小鳥のさえずりだけ。まさに重い沢(笑)。
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