681 決算
決算と言えば、会社が年に一度、その年度の成績を数値にして、税金の申告をする作業。売上を総計し、それから消費した原材料や人件費、燃料電力、運賃や金利などを差し引いた利益が経常利益。それから税金を計算して残った利益が当期利益。同時に、消費税も同じように売上にかかる消費税から、経費に掛る消費税を差し引いて納税することになる。
また、消費税の場合、経費でも、元々消費税が掛かっていない人件費や、保険料、金利、減価償却費、または特別なものとして海外で支出した経費などは控除できない。因みに、減価償却費とは、建物や機械を購入して、その年度で一括費用化せず、10年20年という機関に分けて費用化するもので、その1年度分がその年度の減価償却費となる。
決算で利益が出たからと言って、その額のお金が残る訳ではない。お金が土地や建物などの固定資産に変わっていたら、利益が出ていても、そんな固定資産として眠っている。現金では無くとも、金や上場株式などの有価証券の場合は、比較的すぐに換金できるが、非上場の株式の場合はそうはいかない。決算書に受取手形として残っていても、不渡りになる可能性もある。つまり利益が出ていても投資などに過剰に振り向けていたり、資産の内容しだいでは、お金が回らず倒産することもある。それが黒字倒産。
だから、決算書は必ず、資産負債の内容を表した貸借対照表と、売上と経費の損益を表した損益計算書が1対となっている。
上場企業は株価の面や、経営陣の評価の上で、黒字、しかも前期より増益になることを当然目指すが、非上場や零細企業は、この業績も、会社のあり方や事情によって異なる。
利益が多くなれば、配当も増やせるから株主が経営者だと増益が私益に繋がる。しかし、利益が増えれば税金が増えるので、資金が固定資産などに固定化していると税金を払うのが大変だし、資金難に陥ることもありうる。赤字になれば税金は払わなくていいのだが、銀行の評価が低下して金利が高くなる。入札などがある建設土木会社などは、入札資格が欠格する場合もある。
会社は短期で終わるわけではない。例えば、都合のいいように成績を調整していると、どこかで破たんする。結局は、真面目に正確に決算をして、かつ、固定投資を計画的に行い、利益に合った現預金またはすぐに換金できる資本を残すことが、次の手を打てることになり、好循環を生むことになる。本来、設備投資は減価償却額以内でやっていけば投資での資金難は起きない。
当たり前で無い決算と言えば、普通は、利益を減らして脱税するのだが、逆に利益が出ていないのに出ているように誤魔化す粉飾決算というのがある。なぜ粉飾決算をするのか、その殆どが、①自分たちが報酬や配当を得るため。②経営責任を免れるため。③入札資格などを維持するため。④借入の為。
決算の場合は、不正は不正でも、悪意の不正と、止む負えない、私利私欲ではない不正も有りうる。脱税は違法だが、利益の先取り、経費の先延ばしは、結局税金を先払いすることになるので、国や国民に被害はない(笑) しかし、いずれは自分たちに返ってくる。
会社の決算でも、人の決算でも、次の日、次の期のために、ちゃんとしておいた方がいい。わが社も今、決算処理の最中。どこの会社も、一年に一度しか損益が分からないと言うわけにはいかないので、毎月、月次決算というものを行い、業績の推移は掌握しているはず。ただ、正確な棚卸は勿論、決算月にだけやる洗い替えとか調整という作業を行うので、通常の作業の上乗せとなるが、前もって準備しておけば、それ以外は大したことではない。
そろそろ、人生の決算もする時期になってきた(笑)
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