672 日韓関係
日韓関係が、かなり悪化しているのは新聞テレビで、両国民が周知のところ。以前から中国とは尖閣諸島の問題でギクシャクしていたが、同じく隣接する韓国とも不仲になりつつある。
国と国との問題は、どうも政府間と、経済や民間関係との間に落差があることが多い。韓国も中国も、経済面ではお互いに大事な互恵関係にあり、民間では両国からの観光客も多いし、日本から中国への遺跡観光や、韓国への買い物や食べ歩き観光も多い。日韓、日中で交流のある団体も多いし、民間では友好的な関係が続いているように思われる。私も、中国にも韓国にも親しい友人がいる。
2国間の関係が悪化する発端は、殆ど政治的な問題や、極一部の極端な意見を拡散したことによることが多い。
今回の韓国との関係悪化の発端は、慰安婦と徴用工問題。確かに、日本人からすると、もう終わったではないか。纏めて、当時の韓国政府に賠償金を払っているから、今更個人的に言われる筋合いはない。と言うのが世論だろう。日本人がよく陥る間違いが、どの国も日本の教育道徳レベルで考えてしまう。前にも書いたように、日本は世界でも稀にみる、教育が行き届き、道徳もあり、情緒に溢れた国だ。
しかし、世界の各国、自己主張の激しい国民性もあれば、長く他国から虐げられてきた国もある。貧富差の著しい国もある。もちろん南国のゆったりとした国もある。韓国は、歴史的に中国から支配を受け、日本から占領され、我慢に我慢を重ねてきた国である。韓国人は、しつこいとか、やかましいと言うが、それは鬱憤を抱えた韓国人の遺伝子かも知れない。日本人としては認めたくないが、韓国を占領した時代の日本人の一部が、相当に韓国の人々に残酷な仕打ちをしたことは日本人からも証言されている。もちろん、戦争と言う狂気の中のことではあると言うが、それは侵犯した側の言い訳に過ぎない。
日本は敗戦して米国に占領されたが、占領国がロシアや中国だったら、今の平和で自由な日本はなかったはず。日本側からすると、終わった忘れろと簡単に言えるが、本当に奴隷のように扱われ、蹂躙された記憶があったとすれば、そう簡単に済ませられるものか、我々が逆の立場だったら、どうだろう。
もう一つの問題が、韓国政府の特異な体質にある。大統領が変われば、前任者はいろんな罪を着せられ、死罪となるという異常な歴史。それに賄賂や財閥結託で国民の信頼を裏切って来た歴史。だから、歴代韓国政府は世論に弱い。当時の政府は確かに賠償金を受け取っていても、それを当時の告発人にちゃんと説明して、順当なお金も渡したのかも疑問。それに、国のトップの資質によっても関係の善し悪しは変わってくる。
とにかく、米中問題でも、日韓問題でも、お互いに意地で溝を深めても、何もいいことはない。相手国だけでなく、日本の民間経済にも悪影響を及ぼす。政府が子供の喧嘩のようなことをしてはいけない。本当は、こういう時こそ、連立の公明党や、野党の意見が必要なのではないか。
政府としては、けん制してやったぞと、国民にアピールしたいところだろうが、政府の仕事は、政治そのものではなく、最終目的は、国民の平和と安全と幸福である。政治はそのための手段だということを忘れないで欲しいものだ。
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