鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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657 農協改革その2

   

農協改革については、以前にもブログで書いたような記憶があるので、取り敢えず、「その2」とした(笑)

今朝の農業新聞に、ある農協が、農協改革の一環として、組合員に販売する農薬や肥料の価格を1割下げたという記事が誇らしげに載っていた。半年くらい前にも、全農が価格を引き下げた記事が載っていたし、農機具の負担が重いことから、トラクターの価格を引き下げた話も出ていた。いずれも大変いい成果のように聞こえるが、私から言わせれば、遅すぎる改革だ。

私は、ずっと以前から、あれだけまとめて大量に購入して、組合員に販売する農協の、同じ農薬や肥料、農機具の販売価格が、同地区の民間の販売店より高いのは可笑しい。何のための共同購入かわからない。そう言ってきた。

それが、ようやく民間並みになったようなもので、規模的な競争力から考えると、まだまだ努力不足感がある。とにかく、安くなったことは、組合員として歓迎すべきことなのだが、問題は、外部からそれを指摘されて、ようやく手を付けたという実態。恐らく、農協改革をするべきだという、政府からの声が出なかったら、何も変化は起きず、肥料や農機具価格も、そのままだったのではないか。

これは、JAに限らず、会社でも、自治体でも同じこと。なかなか、考え方も業務もマンネリ化していて、内部からしか見ていないため、自ら変えようとしないし、変わるべきことさえわからない。大手企業などで、大きな会社を改革して再生した中興の祖として取り上げられることがあるが、結局は内部の社員では出来なかったことを、外部からの気づきで変えるべきところを変えただけのこと。日産のゴーンさんも、ゴーンさんが特別なカリスマではなく、人情より利益追求に徹して、工場内でコストを下げるための人員カットなどをやらせただけで、成績が改善したということ。これが自主的に改革をやれていたら、その後の日産の騒動劇はなかっただろう。

今、JAは、日本の人口構成のような形になりつつある。それもダブルで。1つは組合員の高齢化による若手就農者の減少。もう1つは後継者不足による組合員の減少で、それが相まってJAの構成員の年齢階層は逆三角形の形になっている。恐らく、10年もすると、実際に農業をやっている正組合員数は(農業をやっていないでJAを利用している組合員は準組合員と呼ばれる)、今の7割程度まで減少するだろう。今まで、農業をしていなかった都会の若者などが、会社勤めが嫌になったり、農業に興味を持つなど、新規就農する事例などもあるようだが、高齢化による離農人数には、とても追いつかない。極端な話、20年後には今の半数というのも有りうる話。

そうなると、JAの組織はどうするのか、今のような規模の組織を、半数の組合員では支えられない。当然、職員も半数に減らさないと成り立たない。多くの支所や集荷場などの建物などの維持も難しくなる。行きつくところは合併となるだろう。合併となると組合員にとって購買や出荷も不便になる。JAの幹部や職員に会うと、それを理解はしているが、何ら行動に移している様子はない。それでも、実際そうなる日は、確実に日々迫っている。

とにかく、JAでも企業でも、どれだけ、言われなくてもするという、自主性のある人材がいるかで将来が全く変わる。

 - 雑記

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