鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

621 不満

   

 人は、上手くいかないことがあると不満を口にする。
運が悪いとか、恵まれていない、不公平だとか、何で俺だけが。。。。
 それは、うまく行っている状態を基準に考えるから、つい、そう考えてしまうのだろう。

 例えば、大学や就職試験に落ちると、自分は能力が足りないとか、ツキが無いとか言うが、そうではなく、単に自分の努力が足りなかっただけ。
 人より、劣るのではなく、人より努力をしなかった、それが受験の結果や、面接の姿勢に表れただけなのだ。
 本当に、運が悪いとか恵まれない人は確かにいる。
生まれつき、身体が不自由な人、不遇にも事故に会って、障害を負った人。
 そういう人こそ、運が悪いと言う言葉を使っていいのだろうが、そう言う人ほど使わない。それは、その状態を受け入れているからだ。

 恵まれた人ほど、突如やってきた不運を受け入れられない。だから不満が出る。
五体満足で、口もきけるし耳も聞こえる、目も見える。
 親も居て、ちゃんと家も有り、学校にも行ける。
物を掴めない人、歩けない人、見えない人のことを、思いやることがあったとしたら、恐らく不満と思う気持ちも変わったのではないか。

 戦火のシリアやパレスチナ、またはアイエス支配下で生まれ、育った人。
その人たちは、運が悪いと言ってもいいだろう。
 突如の地震や水害などに襲われ、傷を負ったり、家や家族を失った人。
その人たちは、運が悪いと言ってもいいだろう。
 言論や思想の自由も約束され、勉学の体制も整い、努力次第で偉くも、お金持ちにもなれる。おまけに銃社会のような危険も少ない、そのような、世界で最も平和な国、日本に生まれたこと自体、運がいいのだ。
 それでも、不満を言うのは、その恵まれた環境に気付かず、恵まれた自分を生かしきれないためで、それこそが確かに不幸なことかもしれない。
 つまり、不幸だと思うことが不幸で、運が悪いと思うことで運がわるくなるようだ。

 

 - 信念, 社会

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