605 ゲーム依存症
電車に乗ると、みんな無口でスマホとにらめっこ。
殆どが、人とのやり取りではなく、ゲームをやっているようで、指の動きも素早い。
まだ、通学通勤途中なら、ましな方で、今心配されているのが、部屋に籠りきり、またはゲームセンターに居続けるゲーム依存症と言われる若者達。
理性的に考えれば、勉強や運動もしないで、同じ姿勢でゲームを続けるのは身体にもよくない事は頭では分かっている。そんな状態が続けば就職も出来なくなる。
しかし、理性を失ってしまえば、止める理由もなくなる。
あれだけ近くから、スマホの光線を受けていたら当然、眼もおかしくなるだろう。
何といっても、現実社会と仮想社会の区別がつかなくなる。
よく言われるように、ゲーム感覚で人を傷つけたり、殺人を犯す可能性もある。
これは、本人だけの問題ではなく、家庭の問題でもある。
ゲームにハマり始めた頃に、保護者が、「しょうがない」「言ったら怒る、暴れるから」「しょうがないから飽きるまでやらせる」などと、甘やかしたり、放棄した結果ではないか。
テレビなどで、そんな依存症の若者の親が出てくると、ほとんどが、親としての本当の躾をしていなかったり、親自身が自己管理できていないなどの問題がある場合が多い。
まだ、自分の生き方や道徳の判断がつかない子供に、欲するままにさせていたら、当然、楽しい安易な方向に進むのは分かり切ったこと。
その成長する段階に合わせて、優しくも、厳しくもなければいけないし、自分たちがそうあらねばならないのに、小さい子供を連れて、ゲームセンターに行ったり、飲みに行ったり、パチンコに行ったりすれば、当然その子も、それでいいと思うのは当然の摂理。
今、全国で数十万人という依存症の若者がいるとのこと。
放っておけば、これからも増え続けるだろう。
彼らが、成長した時、余程の意思がなければ、恐らく学校にも行けず、会社に勤めることもできない、もちろん結婚もできないし家庭も持てない。
重ねて言うが、その影響で、異常行動や犯罪に走ることも少なからず考えられるという。
では、どうすればいいのか。
我が国の、何でも自由社会では、ゲーム会社やスマホ使用の規制はできない。
少年少女や社会に悪影響を与えていると分かっていても、国も規制できないし、近年に出来た利益優先の企業は、自社さえ儲かれば、自ら抑制することは無い。
それでは誰が、その流れを止められるのか。
それが出来るのは、保護者、親の道徳や信念、それに基ずく躾や教育、家庭環境しかない。
学校の先生に頼るのはお門違いだろう。
躾の連鎖というのがある。
自分が、躾けられていない親は、その子を躾けられない。もちろん逆もある。
語弊があるかも知れないが、私は、両親が共稼ぎや、父親の単身赴任などで、子供に過保護におもちゃやゲームを買い与えたり、悪いことをしても叱らなかったことで、成長して超わがままになったり、引きこもりや、家庭内暴力に怯えている家庭を数多く見てきた。
反面、このような時代でも、ちゃんとスポーツに励んだり、笑顔で挨拶を出来る、将来楽しみな子供も一杯いることも確か。その子らの親を見ると納得ができる。
しかし、残念ながら、これから増えていくのは、どちらかということは想像できる。
親次第と言うものの、ちゃんと親の躾や教育が受けられない子供も、仕方ないと放任するのは忍びない。
せめて、政府が出来る範囲の規制を打ち出したり、教育現場で予防措置として、薬物依存と同じように、ゲーム依存症の現実を映写などで見せて、子供らに、その危険を認識させることは出来るだろう。
薬と同じで、便利なものの裏には、必ず負の面や、副作用があるから、使い方を間違えれば毒にもなるということだ。
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