鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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603 独立・起業

   

 近年、個人で起業したり、独立する人が急増している。
その要因は、まず、創業するのに、手続きも簡単になり、資金もそれほど必要で無くなったこと。また、環境や条件的にも違和感なく、個人の考え方にも抵抗感がなくなっていることが挙げられる。
 例えば、以前だと、会社設立するのに最低でも、資本金として1000万円が必要だったが、今では1円でも出来る。創業時の役員も、取締役が3人必要だったのが、1人でもできるように、全てが大幅に緩和されたのだ。

 次に、昔は製造業や商業などが主だったので、ある程度の元でや経験、それに縁故などが必要とされていたが、今は設備投資が不要な、ゲームなどのソフト開発、通信販売、インターネット関連など、多くの個人創業しやすい業種が生まれた。

 潰れる会社も、それだけ多いが、1つ波に乗ると短期間の内に拡大する会社もある。
そんな中には、短期で利益を出して、人気が出たところで、会社ごと売ってしまうと言う新手の起業手法も現れた。
 それは、もう商売道徳を越えた、投資ゲームのようなものだ。

 私は、ある人が独立するというので相談を受けた時に、経営の先輩として、次のようなアドバイスを書いてあげたことがある。あくまでも私個人の信条として。
 旧態ではあるかも知れないが、これは個人で商売をする時の不変の戒めだと思っている。

1 商売をするに当たっては、必ず数値目標を立て、結果を分析して次に生かすこと。

2 商売と自分の物金は、混同せずに、きちんと区別して管理すること。 

3 失敗や不況などの事態に備えて、計画建てた貯蓄をしておくこと。 
 
4 お客様と自分が使う設備や道具を大切にすること。

5 夫婦が円満で、健康を維持する努力を怠らないこと。

6 店主または事業主の自覚を持ち、政治・宗教・勧誘誘惑に惑わされないこと。

7 商売成功のコツは、その仕事を好きになること。

8 家庭の平和や命、人道的なことは、商売の利益に優先すること。

その他、もっと細かいことを言えば、部下の失態は、自分の責任だと思うこと。同じ失敗を2度は繰り返さないこと。先を急がず、一歩一歩真面目に取り組むこと。金の貸し借りはしないこと。常に、足元と将来の2面を見ておくこと。自分だけ儲けようとせず、将来のために取引先に儲けさせること、などなど。
 
長く続いている商家や企業には、独特の家訓や社是がある。
それを代々守っているからこそ、信用も屋台も続き、長寿企業となっている。
ただ、先ほど書いたような、短期型の起業家には不要なものかも知れない。

 - 信念, 社会, 経営

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