鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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541 新米

   

 日中はまだ残暑が残っているが、朝夕は随分涼しくなってきた。赤とんぼも群れて飛ぶようになった。今が一番、いい季節なのだろう。

 さて「新米」と言えば、昔は、入社したての社員や職人などをさして言っていたが、なぜ新米と言うのかは気にもしなかった。共通するのは新しく入ってくるというだけのようだが。
 まあ、新鮮とか、まだ中身がどうかわからない、そんな意味だろうか。

 実は、今日の午後から中国に行くのだが、中国の友人に、お土産は日本の新米を買ってきてほしいという。友人というのは、福岡出身の日本人なのだが、長く中国に住んでいて、幼稚園を経営している。
 15年程前まで、仕事でお世話になっていて、それから、彼の会社の亡くなったカリスマ経営者の後継問題で、すったもんだした時、彼は中心的事業のトップだったのだが、いざこざとバカ(私が言ったのではない)な後継者に嫌気を出して、その会社を退職して以来、音沙汰無しだった。
 ところが、フェイスブックでお互い、存在が分かり、今回、仕事のついでに会うことにした。
 昔から、中国共産党幹部にルートがあったり、友人が多かったのは知っていたが、まさか、中国で事業をしているとは思わなかった。

 私は、大連に行くのだが、彼の住む天津までは国内線で1時間。
大連では、取引先が連れて行ってくれる観光地も行き尽くしたし、仕事を終えて夕方から行って翌日帰れば、こちらの行事にも間に合う。

 そういう訳で、新米を買うことになったが、市内になかなか無い。
道の駅まで行ってみたら、買いたかったのが、丁度1袋だけ残っていた。
 以前、書いたと思うが、米もピンキリある。同じ値段でも、美味しいものと、そうでないもの。昨年、山間部の矢部村で買った米の美味しかったこと。今まで食べた中で、美味しいと思ったのは、熊本県のあしきたの道の駅で買った「大関山系米」だったが、どちらも山間部の田んぼで栽培され、機械乾燥ではない、掛け干しと言う、天日干しした米。
 狭い段々畑で機械も入らないし、収量も少ない。
それだけ、手間暇かかって作られるだけに、とにかく美味しい。手間もそうだが、山田というのは、水が清く冷たく、水はけがいいので、それだけでも美味しくなる条件が揃っている。
 ただ、欠点がある。それは、一度食べてしまうと、他の米が食べられなくなる。
普通のコメの味に慣れるまで、ちょっと時間がかかる。笑

 何でも、基礎からしっかり作り、手間暇かけて作ったものと、半分の時間、半分の手間で作った物や食べ物は、やはり違う。
 モノだけではない。先般から、地震の影響で、液状化現象が住宅地で発生していたが、同じ埋め立てにしても、ちゃんと宅地として岩や石を重ねて、十分に年数を置いて宅地化した所と、ゴミなどを集積したところに、その上に土を被せて作った即席住宅地は、地盤の強度が全く違う。
 よく言われるように、食べ物も、衣服も、宝飾品も、そして家屋でもマンションでも、それを買う自分自身が、本物を見て、味わって、勉強して、目を養っておくことが大事。
 お互いの恋愛相手にも言えることかもしれない。
ただ、これだけは、本物を見て、味わってというのは難しいかも知れない。笑

 

 - 信念, 社会, 雑記

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