537 自民党総裁選
自民党の総裁選、即ち日本の総理大臣を決める選挙戦が始まった。とは言っても、石破さんが出馬を宣言した時点から実質始まっていた。
私たちの最高権力者である総理大臣を決めるのだが、他の選挙と違い、直接投票をするわけではなく、結果的に自民党党員の選挙で決まる。
自民党の国会議員と党員票を合わせて、多く獲得した立候補者が、自民党の総裁となり、他党を含む国会議員の投票によって総理大臣が選出されるが、国会では、自民党議員が圧倒的多数だから、そのまま総裁が総理大臣になることは、皆さんの周知の通り。
今までも、この間接選挙制度に対して、大統領のように国民の直接選挙でという声もある。本来ならば、国民が選んだ国会議員が選ぶのだから、同じことのように思えるが、全く違う。
なぜならば、自民党の国会議員は一般国民と違い、選挙後に総理から拝命する役職を期待するために、自分に有利な、利己的な選択、今流行の忖度をすることになり、民意を反映しない選択になる場合がある。
ただ、それでは国民投票が絶対いいのかと言うと、直接、候補者に接しないで、報道や伝聞だけでその人物を判断するのも危ういこと。一番いいのは、身近にいて、その人の人柄や能力などを知っている国会議員が、私利私欲無く、国家を担う人材という一点で選挙してくれたがいい。
さて、掟破りで3選を狙う安倍さん。前にも書いたように、近年の総理としては一番働いているし、安定感もある。難題を先送りして景気回復を優先したが、これは間違った手法ではない。結果的に株価も上がり、雇用も増え、経済は良くなった。ただ、自分の時だけ良ければ主義で、負の部分を先送りされたら、後の総理や世代はたまったものではない。
海外に於ける地位も確立しつつあるので、外交的にも見栄えもいいが、肝心の北朝鮮拉致問題は進まず、アメリカに従属し過ぎる感がある。
また、行政改革が置き去りにされており、膨れ上がった変な外郭団体は野放し、だからモリカケ問題などが出てくる。「私が、私が」というのも、ちょっと耳障り。
一方の石破さん。防衛大臣は適任だったが、総理としての力量は未知数で、外交も多少不安があり、総理になっても政治基盤が不安定という面がある。
ただ、言っていることは、地方問題や先送り問題など、国民も賛同できるもっともな意見で、人間的にも誠実だと思うし、田中角栄さんが師匠というところが、また好感できる。
あの顔なら、トランプさんも金さんも怖がるのではないか。笑
上手く、安倍さんに取り入っておけば、将来安泰なのに、敢えて、対抗馬として選挙戦を戦う姿勢にも共感できる。
例え、地方の市長だろうが知事だろうが、トップに立候補しようとするのは、市議や県議に立つのとは全く責任感と決断力が違う。それも相手が現役なら、相当の覚悟が要ったはず。
ただ、今回の選挙、安定を望むか、改革を望むかと選択を迫られたら、今の経済界は、やはり当面の安定を望むだろう。
海外的にも大変な時なので、内部のおおきな変化は望まない。
また、自民党国会議員は、現役首相を押さないと、後で冷や飯食うことになるのは分かっているので、よほど芯のある議員でないと、現役に寄り添うのはやむ負えない。
だから、天変地異でもない限り、地方で頑張っても総数では3分の1が限度。石破さんが勝つことは1%もないだろう。
いや、待てよ、今、日本は天変地異が起きているではないか。笑
どうせ、負けるだろうが、安倍さんにも少し、反省してもらうために一票だけ、という票が出てきたとしたら。。。。
選挙が終われば、当然、内閣改造。また首相周辺が忙しくなり、国会議員の目的を忘れてしまう。
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