鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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535 過疎の進行

      2018/09/06

 今回の台風21号、九州の特に北部には、ほとんどと言ってよいほど影響がなかったが、流石に猛烈な台風と予報していた通り、ニュースで流れる映像には、想像以上の被害の様子が流れた。
 特に関西空港。相当の台風は想定して設計されていたと思うが、機能停止に陥り、復旧に時間がかかりそうだ。
 旅行を楽しみにしていた皆さんも、せっかくの旅行が台無しになってしまい、運が悪いと言えば、その通りだが、あれだけの事前の予想からすれば、事前にキャンセル又は変更するのが賢い選択ではなかったか。

 弊社の社員の関東方面出張も空路で予定していたが、台風の進路を見て、4日前に変更していたので、予想通り、航空便は運行停止になったが、何も慌てることもなかった。
 やはり、「うまく行けば」は、止めたがいい。うまく行けば、それはそれでいいのだが、うまく行かなかったときの損失や無駄は2倍3倍になる。
 私のゴルフと同じだ。だから、もう上手く行けばは止めている。

 話は変わるが、先日から、近くの土地家屋と山林の売買の話があった。
元々、地元に生まれ、就学や就職のために都市部に移り、定年しても、便利の悪い田舎に、もう戻ることはなく、親が暮らしていた家や土地が残されている。
 近年、地方では、よく聞く話だ。
これが、都市部なら、その価値は何千万、何億になるかも知れないが、買い手がないとタダ同然という状態が起きている。
 家屋は、人が住まなくなると、老朽化が、住んでいる家屋の倍速で進む。長いこと住んでいない家屋は、住めるようにするには、その修復に新築に近い費用が掛かる場合がある。
 農地は、周辺に住んでいる人が高齢となり、どんなに安い価格で買えたとしても、これから先、後継者もいないので管理できないという。
 取得しても、手入れ出来ないとなると、周りの耕作地や住民に迷惑かけるから、例え無償でも要らないという始末だ。
 もう少し、奥地に入ると、新築のような家も空き家状態で残され、売りに出ても買い手がない。
 高齢の夫婦は、今更、新しい家を買う必要がなく、子供たちは家を出て行って、帰ってくる見込みはない。
 それでは、どうして田舎に、まだ新しい家が、空き家として残っているかというと、家が古くなり、子供たちが盆正月に帰ってくるのに、あまり古いとみっともないからと新築した。
 ところが、その数年後には身体が弱り、老夫婦共に施設に入ることになったということのようだ。

 そんな場所から5キロ程しか離れていない街の方には、金利安や消費税増税前で、アパートやマンション、建売住宅がどんどん立っている。田舎の方は、どんどん空き家や、土地が空いてくる。
 
 わが社は、製造工場で広い敷地が必要な上に、立地条件として、大型トラックが入る道路と住宅が隣接していないこと、大量の給排水のために大きな河川が近いことなどから、丁度、都市部と過疎地というような地域の中間に立地している。
 このままの状況が続けば、恐らく、当社の工場から、街と逆の地域の住民は、20年後
には、半分になるのではないか。
 その多くは、俗に言う農村地帯。という事は、恐らく全国的にも同じような状況で、農業生産は、極言すれば現在の半分に減少するということで、都市部は更に人口が増えて、一人当たりの居住面積は狭くなる。

 まあ、そうなれば、建物を上に伸ばすとは思うが、昔、外国から見た東京を比喩して、「日本は、にわとり小屋に住んでいるようなもの」と言われたものだが、地方には、有り余る低価格の土地があるのに、それを利用できないのは勿体ないというか、知恵がない。
 田中角栄のような政治家が出てきて、もう一度、日本列島再改造をやって貰いたいものだ。

 - 政治経済, 社会, 雑記

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