ブログ515号 2大国
2015年3月から書き始めたブログ「鶴の一声」も早515号となった。
纏まりも無く、その日その時、書きたいことを書いて来たが、515号という中途半端な記念にマッチした、何とも訳の分からんアメリカと中国の話。
ほんの30年ほど前の世界は、2大国と言えば、当然、資本主義のアメリカと、社会主義のソ連。他の国は大方、どちらかにくっ付いていた。
殺しのライセンスを持ったスパイ、ジェームスボンドが活躍する映画、007に代表されるように、お互い堂々と相手を敵国呼ばわりし、覇権を争っていた時、中国はまだ発展途上国として扱われていた。
多くの国民は、人民服で、乗り物は自転車。
ピラミッドと万里の長城に代表されるように、昔栄えた遺跡を抱えるエジプトと同じような古代国家で、経済力は無い。ただ、国土は広く人口だけは多い。そんな印象の国だった。
しかし、国土の広さと人口の多さは、大きな武器である。
それに共産主義国家で一党主義国家であれば、極端に言えば、国民の意志に関係なく、党の方針で何でもやれる。
国家予算・法律制定・軍事力行使、または都市計画のための立ち退きも没収も。
ソ連が、社会主義の失敗例として経済崩壊し、その後のロシアも、アメリカとの力の差は歴然で、ここ10年の内に、完全に中国が世界第2位の大国の地位にのし上がった。
その過程では、ソ連の失敗から学んだ、国有企業保護一辺倒ではなく、上手く資本主義を取り入れた、鄧小平の功績も大きい。
元々、戦後の安保理事国ではあったが、その後も軍事力の強化と、大量の労働力と安い賃金で、生み出した金で、今、次第にアジアの近隣諸国に手を伸ばしてきた。
昔のバブル期に日本が海外の資産を買いあさった様に、世界のあちこちで中国の企業買収やインフラ事業が行われている。
この2大国は、習さん、トランプさんの急接近で世界を2分するかのような杞憂もあったが、トランプさんの例の思い付き病で、おかしな関係になりつつある。
トランプさんが、中国が不当に安く輸出するから、自国の産業を圧迫していると、国内の人気取りに、輸入関税を今までの数倍に上げると言えば、当然、習さんも、じゃ、こっちもアメリカからの輸入品にも、もっと高い関税をかけると言い出した。
結果として、当然お互いの国の産業が大きな痛手となる。
他の国が、有利になるかと言うと、そうでもない。大消費国である両国が、お互いに輸出不振と物価高に陥って経済がおかしくなれば、他の国にも波及して、世界の経済が狂い始める。株も暴落するだろう。
それで、円高になれば、日本も大変。
そうでなくても、世界中に紛争は絶えない。
日本は、紛争の多い中近東からすると最東端の島国だから、その紛争を感じないほどに平和だが、今でも内戦が続いているシリアやイエメン、そしてイスラエルとパレスチナ。
その他にも、取り敢えず表立った動きは無いが、ウクライナ・アフガニスタン・ソマリア・トルコやイラン。
日本も、すぐ隣に北朝鮮と言う爆弾を抱えている。
今まで、小さな紛争は有っても、ソ連とアメリカ、中国とアメリカという2大国が牽制し合って維持されてきた世界の秩序が、訳のわからんアメリカの1人の大統領の我儘で、壊されてしまう可能性だってある。
日本が戦争に突入したのも、元は経済問題と、指導者の独善からだ。
北朝鮮の金さん・中国の習さん、ロシアのプーチンさん、シリアの何とかさん、アメリカの花札さん。うーん、よくも同じ時代に生まれたものだ。
平和な時に、何かが起こるとすれば、それは人災だろう。