講演料
いろんな団体が開催する総会や記念行事に、ほぼ講演会は付き物になっている。
私たちも、つい先日のロータリークラブの筑後南部地区の大会で、日本医師会会長で、世界医師会の会長にも就任され、ロータリークラブの会友でもある横倉病院理事長に講演して頂いた。
福岡県は、現在同時に、日本医師会会長と日本獣医医師会会長の両者を出しているのだから大したものだ。
私も、いくつかの会で、講演者を選考する立場に就いているが、近年の講演料の高騰には驚かされる。
以前にも書いたように、やはり講演を企画する以上は、人が入らないと講演者にも申し訳ないので、予算内でなるべく、世間に知られている人物をという事になる。
選考頻度からすると、政治評論家及びコメンティナー・ニュースキャスター・教育家・元スポーツ選手・変わったところでは、お坊さんや歴史学者など。
顔が売れている、または人寄せという面では、落語家や俳優、プロレスラーもある。
選考で難しいのは、聴く人がどういう人達かということと、講演の目的、且つ知名度ということになる。
問題は、この知名度。
今回は、予算100万円。1時間半の講演だから、時給67万円ということになる。
当然、この予算なら、そこそこの人が呼べるだろうとタカをくくっているととんでもない。
こんな政治がガタガタしている時期だからと、元大阪市長の橋本氏をあたったところ、なんと
250万円!今テレビで活躍中の池上さんも同クラス、舞の海は200万円。
選考資料が5年前に発刊された講演者リストだったが、5割から2倍に高騰している。
とにかく、内容よりも、知名度と露出度、やはりまだまだテレビの出演は、効果があるようだ。
逆に、世間に知られてなくても、会社を創立したり、再生させたりした経営者の講演で感銘をうける場面が多いのだが、その上、そういう人の講演料は有名人の1割も無い。
例えは悪いが、中国の外見は立派な高層ビルの中に入るとガッカリし、日本の和風料亭の、外見は古びているが、中に入るとその造りの細やかさや料理の内容に感嘆するようなもの。
または、外見しびれるような美女が、喋ったら幻滅。外見冴えない女性が、話をしてみたら、引き込まれるような魅力があったというようなもの(笑)
人間、人に講演するということは、その聴衆を教え導くことを意味すると思うのだが、(
だから、講演者は先生と呼ばれるのだ) そういう人が、取れるなら、取れるだけ取ろうということでいいのだろうか。
自分の講演の価値で、価格を打ち出して欲しい。
有名になったということは、それまでに多くの人の助けや支持、支援があったはず。
そして、今の立場があるのなら、多少世間に恩返しするくらいの気持ちを持ってほしいものだ。