囲碁と将棋
今話題の将棋、藤井君の29連勝という活躍で、俄然人気が出た。
どの世界でも、やはりスターが出てこないと人気が出ないし、続かない。
野球の王や長嶋、予選が始まった高校野球では、清原や桑田、その後の斎藤や田中。今は清宮か。
相撲の千代の富士や、白鵬、今は沈没したけど琴奨菊。
卓球の愛ちゃん、スケートの真央ちゃん、ゴルフの藍ちゃん、体操も水泳も、そういうスターが出てくると、メディアが取り上げ、みんなが注目するようになる。
今回も、今まで地味なゲームだった将棋に、みんなが興味を持つようになったし、将棋を習い始めた子供も多いらしい。
似たゲームに囲碁があるが、将棋では、羽生名人というスターが有名になったが、囲碁の世界では、あまりスターが知られていない。
囲碁をやる人なら、石田さんや趙治勲といったところがスターだろうが。
囲碁と将棋は、よく宇宙的と平面的とか、大局的とか局地的とか表現される。
確かに、将棋の場合、駒の動きが決められおり、盤面も狭く、ほぼ直線的な戦いになるが、囲碁の場合は、将棋の駒にあたる碁石の数も数倍も多く、盤面もかなり広くなる。
将棋の駒は、相手の駒の傍に打って行くが、囲碁は、なるべく相手の石に近寄らないのが鉄則。また、将棋と違って、どこに打ってもいいし、将棋は王将を取られたら勝負が決まるが、碁の場合は、最終的な陣地の広さを競うので、一か所で負けても、他の場所で勝てば逆転できるため、小さい勝ち負けではなく、大局的に勝負を見ることから宇宙的と言われる。
短気な人は、将棋が向いていると言われ、気の長い人が囲碁に向いているといわれるが、その代表が難波の将棋士、坂田三吉かもしれない。
戦略家が囲碁を好むと言われるのは、正に、大局を見る能力を磨くのに適しているからだろう。相手に少数の石を取らせて、大きく取り返す戦法や、後々の戦いのために置き石を仕組んでおくこと。全体を見て戦略を考える事。これは将棋と同じだが、何手も先を読んだり、相手の出方に対応することなど。
囲碁は、会社経営能力を身に着けるのにも役立つと言われる。失敗しても戦略を変えたり、見方を変えることで挽回できる点や、局部的な勝負と、大局的な勝負の両方を見ながら戦うこと。更に先の先を読むことなどである。
私も、会社に入った頃、直属の上司はもちろん、殆どの幹部がやっていたので、覚えさせられ、その内、面白くなって、碁会所にも足を運ぶようになったが、やがてやる人がいなくなり、今は殆どする機会がなくなった。
やはり、ゴルフでも囲碁でも、今までお金を掛けずに続いているゲームは、実に良く出来ている。なかなか、到達点に行きつけないという奥深さもあるが、初心者でも熟練者でもハンディで戦えるようになっているのも、その秘訣かもしれない。