赤貝の危機
梅雨入り宣言が出た途端に雨が降らなくなった。
土曜に少し振ったが、大雨と言っていた日曜は、なんと快晴。
そろそろ、田植えの準備が始まる頃だが、稲作農家は水不足が心配だろう。
前半に降らない年は、梅雨明け前に大雨が降って、水害が出ることが多い。近年は、温暖化の影響で亜熱帯気候になり、局地的大雨というのが多くなった。
そういえば、トランプ大統領が、温暖化に対する世界的取り組みを、アメリカの国益のために離脱するなんてバカなことを言い出したが、ここで取り組みを止めたら、本当に地球の気候変動は異常となり、アメリカだってもっと大きな損失を被ることになる。
農作物が育たなくなり、生活環境が阻害されて、今のアメリカの保守する利益よりももっと大きなコストが掛かることになるはずだ。
やはり、政治家一家の政治家も善し悪しだが、政治の素人も怖いものがある。
しかも、アメリカ大統領の権限は絶大。
トランプさんと関係はないが、我が国の有明海の貝と言えば、赤貝とアサリ貝。
潮干狩りをするのはアサリ貝で、アサリはどちらかと言えば砂地に、赤貝は砂と泥が混じった潟と言われる水域に生息している。
それより、地上に近い水域は、同じ潟なのだが、あのムツゴロウの縄張り。
その赤貝が危機的に減少している。
年によっても、その原因は違うが、根本原因が2つある。それは海苔の栽培と、近年のクラゲ漁の増加によるもの。
赤貝は、海底にシュロの繊維を沈めて、それに産卵させて増やすのだが、海苔の養殖場と同じ場所なので、その海苔に与える肥料の残留成分が、赤貝の生育に悪影響を与えていること。
次に、クラゲが中国向けの食材として有利に販売出来るようになり、そのクラゲ漁の網を引く作業が、赤貝の繁殖用のシュロを引き抜くなどの害を与えるらしい。
有明海の赤貝は、輸入物と違い、軟らかく美味しいことで知られるが、海苔とクラゲに勝てないらしい。
年によっては赤潮、つまりプランクトンの異常発生による酸素不足などが原因で死滅することもある。
貝類は、海の汚れを取り込んで浄化する働きがある。そんな働き者の海産資源がまた一つ消えつつある。