みかん
今朝から、「何か大変なことがあったのですか」と社員が心配そうに尋ねるので、別に何もないけど。。。
聞いてみると、先日の私のブログで、「今日は困ったことがあった」と書いていたのを読んだ社員が、何かあったのかと心配したらしい。
心配してくれた社員のために書くが、今年の夏の猛暑干ばつの影響で、現在生産している「みかん缶詰」の原料が不足ぎみ。
そのため、いろいろ他品目の製造を挟んで対応してきたが、ついに1日製造休止、全員で清掃にした。ブログはそのことだった。
丁度、食品業界でいろんな混入問題などで騒がしくなっていたので徹底して1日清掃とした。
同業者の中では、はるかに多く集めているのだが、今年は干ばつによる品質変化もあり、1箱を作るのに消費する原料量も5割くらい多くかかっている。みかんの身が柔らかく工程で崩れてしまう。
その代り、青果は糖度が高く、酸が低いので美味しい。近年最高の価格で取引されている。そのため少々外観が悪くても、青果として、いい値段で売れているわけだ。
我々には厳しい年だが、生産者にとっては、それは必要なこと。
農家の後継者が減少する近年、生産物価格が高くなることによって、生産を続ける意欲を持ってもらえば、長い目でみればいいことでもある。
ついでに、ミカン栽培の話をすると、みかんには早く採れる順に、ハウスみかん、極早生、早生、晩生または普通、という種類がある。
まとめて、温州みかんと言うが、ハウスは6月から出始め、晩生は収穫は12月内に終わるが、貯蔵がきくので、出荷は3月まで続く。
生産者は、少しでも高く買ってもらえるように、少しでも早く、また、少しでも遅く出せるように努力する。
また、少しでも甘く美味しくと考えて、栽培方法を研究してきた。
そして、収穫時に多くの人手を要するために、労力を分散することや、省力化すること。
そこで、今多くで取り入れられているのが、マルチ栽培。
みかんの樹の大きさを抑制して、根元に反射性のシートを張り、雨水を遮断して、必要な分だけ与える。シートは陽光を反射して、樹の下方からも陽があたるようにする。
みかんの果実は、陽光と水分量で美味しさが決まる。光がよくあたって水分が少ないほど糖度が上がる。水分が少なすぎると樹が弱るが、ぎりぎりのところで調整するのが栽培技術、そして栽培努力となる。
だから、今年のみかんは、晴天猛暑日が続き、干ばつ気味だったために、自然と甘く仕上がっている。
みかんに限らず、果物野菜が年々少なくなり、価格も格段に上がってきた。
野菜は1年で出来るが、果実はも収穫できるようになるまでには数年かかる。
今から、果樹栽培を始めればいいかも知れない。地方では多くの農地が放棄されている。
TPPで海外ものと競合しない種類を。みかん栽培はこれからきっと儲かる!!
と言って、みんなに作ってもらう(笑)