鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

*

困ったゴキブリ君

   

 今日は、はごろもフーズのシーチキンのゴキブリ混入がネット上で、炎上まではしていないが盛んに書き込みが行われている。
大半は、容器や食べ物にゴキブリが入る可能性は日本国中あるが、なぜ公表しなかったのか! なぜ回収しないのか!!

 確かに、食品工場、それも大手の長年やっている契約工場で、ゴキブリが混入することは、あってはならないこと。
しかし、絶対無いこともないとは言い切れないことでもある。
 ちゃんとしたレストランなどでも、カウンター越しに見つけることがある。
前にも、ぺヤングの焼きそばに袋詰めされていた。今回は缶詰なので、一度詰められたら外からは分からない。

 私も業界の人間だから、意見次第では非難されるかもしれないが、ちょっとわが国の食品に対する風当たりが強すぎると思っている。
もちろん、ほとんどの場合は、大きな問題になるのは、最初の対応や態度や、会社の姿勢に問題があることが多い。

 回収については、もしも多発性や身体に危険性がある場合は、即回収は当然のこと。
それが出回っていれば公表も素早く、そして回収範囲も広報範囲も、特定できなければ危険性が考えられる最大範囲でしなければならない。
 しかし、今回のような虫混入の場合。
缶詰のように殺菌商品で、完全に殺菌されていることが確認されれぱ、仮に口にしても人に危害はない。
戦中戦後の食糧難の時は、ゴキブリさえ焼いて食べていたそうだ。タンパク源だ。
 もちろん、このような大きな虫は、開ければ一目でわかる。
また、はごろもフーズが言うように、発売から1年以上、他に発見が無ければ多発性はない。ただ、せめて、その日のロットを回収するのは、お客さんに対する誠意だったかもとは思う。

 ただ、公表と言うことについては、公表することが本当に必要なのだろうか。
今回の件、公表することによって、誰かの為になるのだろうか。
 単発性で、何かもすぐ判明し、危険性はない。もし、公表したとすれば、商品イメージは急落し、勝った人は気分が悪い。会社の信用もなくなり、一つ間違えば会社が潰れることさえある世の中だ。関係ない従業員まで不幸になる。

 昔は、失敗して迷惑かけても故意でなければ、お互い様とか、今度から気を付けてとか、相手の落ち度に対して、許し、立ち直りを支援する社会があった。
今は、一度表に出たら、みんなして顔の見えないネットで徹底して叩く。
 まるで、現代の「いじめ」に共通するものを感じる。

例えば、会社ぐるみで不正や偽装を故意にやっていた。危険とわかって隠ぺいしていた。
 それは、徹底的に非難していいし、叩かれるべきだ。
しかし、まじめにやっていて、不可抗力的に、または運悪く起きてしまった事件は、よく内容を理解して、前者とは区別して批判非難すべきだと思う。
 このことは、きっと自分にも帰ってくるし、子供の教育にも大切なことだから。

 - 信念, 社会, 雑記

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