たけのこの旬
今朝も、新聞で為替相場が110まで円高になって大変だと騒いでいたが、円が80円付近だった頃、それに120円を超えた時は、みんな揃って、「円は110円くらいが理想だ」と言っていた。
慣れとは恐ろしいもので、120円近くで居座っていると、それが当たり前のような錯覚になり、110円が円高と言い出す始末だ。今でも、110円くらいが輸出入両方にとってバランスのとれた相場だと思う。
騒いでいるのは、輸出に頼っている企業。輸入が多い企業は少しほっとしていると思う。
いよいよ当地、日本一のたけのこ産地である福岡県八女地区では、たけのこの盛りを迎える。
今年は、平年より発生が1週間は早いと予想されていたが、やはり朝夕の冷え込みなどで、平年並みの時期となった。
農産物は、長い経験から言うと、早い早いと騒いでいると遅れる。多い多いと言っていると案外少ない。大体当ては外れる。
しかし、漁業関係者が言っていたが、農産物は、多くなっても少なくなっても、まだ見えるからいい。魚は獲ってみないと分からない。確かにそうだ。
いずれにしてももリスクの多い稼業だから、多少は高くないとやっていけない。
世の中、農水産物に対する価値観が低すぎる。コカコーラよりサバの缶詰が安いのは、どう考えてもおかしい!!
たけのこは、隔年で多い少ないを繰り返す。
ただ、地域や園地によって異なる。
土地の向き、例えば南向きか北向きか、または、台風や降雨量などの気象条件でも変わるが、多く発生した次の年は少ないと言うのが一般的。
土地の人は、竹の葉の色をみて多い少ないを判断する。葉が緑色をしていると大丈夫。黄色っぽいと少ない。
桜の散る頃が盛り、藤の花の盛りがたけのこの終わり。
今年は表年。たけのこの発生期間は12月から5月と長いが、その90%は4月の5日あたりから20日あたりの約2週間に集中する。
そのため、この期間はたけのこ加工会社にとっては戦争のような忙しさになる。
昔は、24時間操業で処理していたが、今は労基法で難しくなり、3分の一しか処理できなくなり、国産筍も貴重な存在となりつつある。
この労基法は、労働者の味方かも知れないが、日本を発展させてきた生産力を相当減退させた。
竹林は、間引きなどの手入れをしないと密集して、たけのこは立たなくなる。本来は畳1枚に竹1本が適数。そうすれば日当たりも良く、早く出るし、掘るのにも竹の根が張り過ぎず掘りやすい。
この日本一の八女地区も、既に放置された竹林が全体の7割と言われる。
やはり、農家の高齢化と後継者不足が著しい。