TPP その2
先日、九州のある地区のみかん農園を視察した。
国は、TPPを進めるために、農家やJAに対して相当の支援策を打ち出している。その柱は農業規模拡大に対する補助金だ。
その補助金を利用して、例えば、みかん農家は共同して大規模な農園を造成し、機械化を進めている。
そして、実際今回の地区以外にも、各産地で立派な農園団地が出来つつあり、これならば、農業後継者も出来るかもしれないと思う。
確かに、今までの農園は、急な傾斜地であるために、農薬散布も収穫も平地の数倍時間がかかってしまうし、そんな傾斜地の上り下りは人間が参ってしまう。人手に頼ろうにも、それだけの労働力も集まらなくなっている。
と、言っても、そのような大規模な工事は個人で出来るものではないので、国や県が補助してやるのは、日本の農業の将来の為には決して悪いことではない。むしろ、やるべきだと思う。
ただ、TPPの悪影響を受けるのは、JAやJA傘下の農家だけではないということ。
零細企業や、JAの組織外の農家も多くあり、JAなどの政府に対して影響力のある団体以外には、何の支援も補助もないということが問題なのだ。
政治というものは、昔から、表から見えるもの・喧しく言う者・影響力の強い者に対しては、金を出したりいう事を聞いたりするのだが、もの言わぬ者や弱い者、裏に隠れて見えないものは置き去りにするという習性がある。
だからこそ、選挙では世襲代議士やアイドル代議士をやめて、国民の下辺を理解している人や、苦労人、せめて庶民感覚の人間を送るべきなのだ。