791 老舗
鶴の一声も、あと209つぶやきで、1000発信となる。とりあえず生きている内に1000発信達成しようかなと思っているが、1月に平均10で年間120。これから209発信には1年半以上かかる。きわどいところだ。と言うことで、今朝も日の出と共に描いている(笑)。
昨日、帰郷中の娘と3人で昼は何を食べるかになったが、朝飯食ったばかりで、何も浮かばない。それなら不謹慎だが、コロナの出ていない八女市内でいっそ外食しようということになり、「鰻のせいろ蒸し」で意見が一致したものの、予約しようとしたら、いつも行く市内の鰻や2店舗共に定休日。他を調べたら「萬歳屋」という店がある。確か八女市の黒木町だと思いだした。早速予約してナビを頼りに行ってみたが、なかなかの風情ある老舗だった。
確か、30代くらいの若い頃、会社の仕事で黒木町のJAや大坂などの市場連中と飲む機会が多く、当時、黒木町で主に利用していた料亭が確か2軒あったと思う。もう30年も前のことで記憶も定かではない。1軒は、女優黒木瞳さんの実家で、お母さんがやっていた料亭。彼女のお母さんが彼女以上に美人だったという記憶はある。黒木瞳さんとは、彼女が宝塚から女優デビューしたばかりの時に里帰りしていて、友人のスナックで紹介されたが、小柄で顔が小さく、思っていたより幼い感じがしたのを覚えている。彼女のいとこでもある友人に盛んにデュエットを勧められたが、一緒に歌っておけば良かった(笑)。それから女優として次々に成功して再会することはなかったが、お姉さんは仕事の関係で会社に何度か来てくれて、お母さんが最近亡くなったことも聞いていた。もちろん、店はかなり以前に閉じられていた。
話が飛んだが、昨日行ったのは、もう一軒の方で、店の中に入って、昔、確かに行っていたことを思い出した。当時は会議の後、暗くなって行くし、相当飲んでいたし、毎度JAが店を設定していたので、そこが「萬歳屋」という屋号だということは気にもならなかったのだろう。和服をアレンジしたような服装の、私より10歳は上かなという女将さんに出迎えを受けて、久しぶりに店内に入ってみると、正に昭和初期の匂いがする。
長い廊下や、年季の入った柱、昔風の窓。聞いてみると築100年と言う。庭も雰囲気があるが、窓の外は矢部川の清流が流れ、桜並木がある。桜の時期も良いだろうなと思う。私が行っていた頃も桜は有ったろうに、その記憶が無いのも、夜だったからかもしれないが、酒ばかり飲んでいたことがよく分かる。肝心のせいろ蒸しがまた旨い。
3人とも、その日に閉店していた店に感謝だよねと口を合わせて味わった。私は、いつもは小さいサイズしか食べないのに、普通サイズを久しぶりに平らげた。とにかく鰻自体が旨いし、せいろ飯がしつこくなくて絶品。その夜は、市内の寿司屋で会食があり、大将と話していたら、やはり予約なしでは入れないくらい結構、鰻目当ての客が多いらしい。黒木町には他に、南仙荘やまちこ会館など、賑わっていた店も多かったが、町の経済悪化と共に閉店が続いた。それでも、鯨専門店など、八女市街とは違った雰囲気の店が今も残っている。
今回、久しぶりに老舗という店に行ったが、たまたまの思いつきで、もしかしたら存在さえ忘却していたかも知れない。やはり、老舗として続く店には、それなりの理由がある。店の作りや店と店の周囲の雰囲気。料理人の腕や意気。女将さんの人柄や心遣い。行き届いた掃除や生け花。変わらぬ伝統の味。しかもリーズナブル。
我が社も、そんなお店や取引先、生産者、社員に支えられてあと2年で操業90年となる。それから10年でようやく老舗と言われる100年企業の仲間入り。そこが終着点ではないが、何とか後輩たちに頑張って100年のお祝いをして貰いたいものだ。やはり100年企業にも条件がある。トップの判断・決断・指導力。社員の結束。人材育成。会社の信用。地元や取引先との信頼関係。改善と研究の継続。