779 南九州2020水害
昔から、どこかで大きな水害が起きないと梅雨は明けないと言われてきた。今年は、比較的梅雨の晴れ間もあり、空梅雨かと思っていたが、やっぱり、水害が起きた。
近年は、線状降水帯という、局地的に猛烈な雨を降らせる、帯状の雨雲が通る所が出来るようになり、今までも北部九州や四国などに多大な水害を与えている。もちろん、鹿児島、宮崎は毎年この時期、前線の南から吹き込む湿った空気で、九州でも最も降雨量が多い。熊本と鹿児島の県境に位置する水俣や、芦北地方も、天気図の黄色や赤の降雨帯が発生しやすい地域になっていた。
今回は、球磨川が氾濫した。球磨川と言えば、熊本と宮崎の県境である九州の真ん中から熊本市の南、八代市に注ぐ九州一の河川。上流には米焼酎の酒蔵や温泉地として有名な人吉市があり、国宝の青井阿蘇神社がある。普段は、昔から栄えた山中都市で、球磨川下りの乗船場として落ち着いた情緒を見せている。私も、何度も行ったことがあるが、球磨川と市内の高低差があり、今回のニュースで見るような、市内があんなに浸水するような風景は想像できない。
水害の被害は大きく分けて2つある。1つは、河川の支流が排水難になって市内に流れ込んだり、本流自体が氾濫して堤防を越えて流れ込み、家屋が浸水する浸水被害。もう1つは、降った雨によって、その含んだ水により、山や崖が崩れて土砂災害で家屋が潰される土砂災害。どちらも、家屋の立地で運命が決まる。
河川の側や、崖の下など、災害の危険は予測されるのだが、普段が問題ないと、分かっていても、移転しようとか、構造を変えようとかと言う意識には、中々ならないものなのだろう。まして、田舎は集落文化。自分だけが安全な場所に引っ越したり、高い構造にしたりするのにも抵抗があるようだ。
今の世の中、被災した家屋の修理や補修については、保険と言うものが充実しており、復活までの片づけや生活は辛いが、時間を要すれば何とかなる。ただ、今回の様に広範囲に被災が及べば、その手続きも工事も、相当の時間を要するのは覚悟しなければならない。家屋はどうにかなるが、亡くなった命は取り返しがつかない。酷な言い方かも知れないが、全てが運命とは言い切れない。立地によっては、被災する可能性が予知できるからだ。それから先は、何を優先するかだろうが、確かに日本国中、地震や台風を含めれば、確実に安全な場所は無いとも言える。
とりあえず、ニュースを見て、被害の大きい芦北地区の知人に電話で安否を尋ねた。本人や家族、知人に被害がないということで安心したが、様子を聞いた、想像以上の被害に驚いた。
毎年毎年、気候について、観測史上初という言葉が聞かれるようになり、気温も35度越えにも驚かなくなっている。降雨量も1時間100ミリ超え、1日に500ミリ以上。僅かここ10年の出来事だ。こうなると、どこで何が起きてもおおかしくない。気候もおかしくなり、新型コロナも発生。トランプが出てきて、香港が中国になった。日本の政治もおかしくなり、ユーロもわからない。変わらないのは、友達の友情と好みの酒の味、そしてカミサマの愛情(笑)。とにかく今の私には、被災した皆さんが、気持ちをしっかり持って、迅速な行政の支援で、一日も早い復興ができることを祈念するしかない。
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