鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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768 教育とは

   

昨日6月8日は、抗がん剤投与の予定日だった。いつものように病院へ行き、体温測定から、血圧、体重を測る。平熱全て異常なし。次に投与前の血液検査。これも数値は、今の状況としては問題なし。ということで、リクライニングの椅子に座って、薬剤などをセットし、いよいよ投与開始と言う時に、何か違和感を感じた。ちょっと関節が痛いし、怠さがある。看護師さんに頼んで、念のため、体温計を貸して欲しいとお願いして、測ったところ、病院に来たとき36.5度だったのが、何と38度になっている。私としては、次の週は投与が無い予定なので、いろいろと行事を組んでいたので、どうしても当日は投与したかったのだが、担当医からストップがかかった。      

確かに、白血球が減少していたり、血糖値が異常に上がっていたり、それに熱が高い時は、抵抗力が落ちているので、抗がん剤で重篤な状態になることがあるのは分かっていた。そこで、協調案として、本来1週伸ばしのところを2日伸ばしの水曜日投与ということにしてもらった(笑)。熱は熱さまし薬で朝までには平熱に戻った。調子がいいと喜んでいると、なかなか敵もさる者。そうは簡単に楽にはしてくれそうにない。それでも改善したのは実感できている。     

さて、コロナ休校でロスした学校の授業について、全国で、その遅れをどうして取り戻すのか。9月入学にするとか。夏休みや修学旅行、体育祭を削ったり中止にしたりなどの対応策が出されている。本来、政府が休校策を決めた時点で、文科省は、その後の教育方針を策定し始めるのが当たり前ではないか。当初の計画や予算が変わったら、その修正案を作るのは世間では常識(笑)。       

以前から、教育や、受験制度、企業の採用制度などについて、ことある毎に議論されてきた。特に、少年の凶悪な犯罪や、引きこもり、家庭内暴力、薬物依存などの事件が報道された時。そんな時は、今の受験目的の教育が批判され、もっと道徳教育や、共同行動、野外活動をした方がいいと言う。しかし、いつも、時間が過ぎると立ち消えになってしまう。     

教科書や受験でいい成績を取った人間ほど扱いにくいとよく聞く。それよりも、運動部やクラブ活動に精を出した学生の方が、応用が効くし後伸びする。例外として、教科書の成績でも通用するのが、議員や官僚。就職してからも、1本道で、それ以外に学ぶ必要がないから。         

ところが、本音と建前の違いで、人前では、人創りが教育の基本などと言うものの、こんなコロナなどの事態を前にすると、その大事なものを削ってでも受験勉強優先に走ってしまう。極端な話、今の教科書ベースで言えば、実社会で必要な内容は、中学校までの中身で足りる。国語は別として、数学や化学、物理などは、高校レベルを実際使う機会は無い。もちろん、数学者、科学者、物理学者、音楽家になろうとすれば、大学で専門に勉強すればいい。目標のある人間は中高で多少の時間が欠けても、次の年や、大学の4年もあれば習得出来るはずだ。本当に勉強したければ大学院というのもあるそっくす。      

数学や化学などの学習は、基礎的な知識と後は、頭の体操。頭を使った後は忘れていい内容と言っても過言ではない。それよりも、教え育てると書く、教育にとっては、みんなと初めての修学旅行。縦横の関係を築き、リーダー力や、それぞれの役割分担を学び、団結力の大事さを学ぶ体育祭。家族との絆を確認し、または取り戻す機会であり、自己責任で行動体験する夏休み。こういう体験から、人の幅や深さが形成される。もちろん、生涯に関わる感動体験や出会い、大事な友情も。これらの方が本来は優先的に考えるべきではないか。        

教科書の勉強は、後でも、家庭でも365日分の約60日分、率にして15%くらいなら、やり方などで相当分カバーできるし、夏休みの半分は先取りしているようなものだから仕方ない。それよりも、当初計画の教科書量を全国で10%くらいカットしていいし、受験内容自体を考え直せばいい。今から文科省が基本方針を立案し、そして全国47の教育委員会で1か月で纏め上げ、後期の教育計画で修正する。とにかく、このコロナ期の子供たちだけ、思い出や拠り所がないという世代にはしてもらいたくない。      

勿論、殊な例だが、田中角栄元首相も松下幸之助元松下電器創立者も、学校では小学校までしか行っていない。後は独学で学んだ。その代り、実体験と努力、そしてリーダー性で日本一になった。勉強が出来て、日本一にむなった人物はあまり聞かない。       

企業などは、自然災害、人的災害、事故など、大変な事態が起きたら、存続の猶予はないので、不眠不休で早期に対策を練り上げる。今、日本と言う企業が、感染病という大変な事態に遭遇し、その中で教育問題にも影響が及んでいる。ここは、一つ、高報酬を受けている大臣や官僚、県知事の皆さんに骨を折って貰いたいものだ。ピンチをチャンスにと言うが、私は、今回のピンチを、「大都市への人口集中是正」と「危機管理の見直し」、そして「教育制度と教育理念の再考」へのチャンスにしてもらいたいと思う。

 - 雑記

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