678 娘嫁ぐ
我が家には、3人の子供がいて、全員外に出ているが、特に2番目で1人娘にもかかわらず、高校卒業と共に、東京の大学に行き、そのまま就職して、ついに出身地に住んだ期間を、東京暮らしが超えた。子供の頃から男勝りで、カミさんから、私に一番似ていると、悪いことがあるたびに言われていた(笑)
元々、中学時代からの目標だった航空管制官を目指して、国立の航空保安大学に進学し、管制官になった後も、早稲田に入学したという変わり者。暫く国交省に勤務した後、まだ羽田の管制塔に戻っていた。もう世間で言う適齢期もとっくに過ぎて、私達夫婦も半ば諦めかけていたが、今回の私の病気で、元気な内に花嫁姿を見せたいと、結団奮起したらしい。
そこで、逆プロで彼氏に交渉して、僅か1か月足らずで結婚式とあいなった。彼氏も犠牲者かもしれないが、理解がある好青年。我が家一同、彼と彼のご家族に感謝感謝(笑) 早速我が家に挨拶に来てくれたが、私にとっては大安心できる存在となった。
二人は、お互いが住んでいた新宿区神楽坂の阿波踊り連に参加したのが出会いらしい。そこで、結婚式も神楽坂の赤城神社でということになり、お互いに急な事も有り、先方は仙台、当方は福岡ということで、ごく身内で執り行うと言うことになった。お互いの親兄弟、それに叔父叔母、甥姪が参加して、古式豊かな神前結婚式、そしてその後は神楽坂のホテルでの食事会。既に、親族は前日の夕方、前入りしてお互いの紹介と食事会で知り合っていた。親族の他は、平日でもあり、娘の同僚と、娘がネイルモデルで親しくしているネイルアーティストの世界チャンピオンと日本チャンピオンがお祝いに駆けつけてくれた。私はネイルの世界はあまり分からないが、とにかく凄い方々らしい。
これから、二人でまた、神楽坂でマンションを探すとのことだった。翌日は、子供が喜ぶようなコースで、猛暑なので、あまり過労にならないところを目的に、当初水陸両用バスに乗るつもりだったが、なんと川の水が少なく運用休止とのこと、しかたなく水上バスに切り替え。それもこれも彼が手配してくれて、更に頼もしさを感じることができたし、家族と過ごせたいい結婚式だった。
因みに、娘は雨女、私は晴れ男。そのため、今回は曇天で式は暑くなく助かった(笑)
結婚と言うものは、今の時代、自分たちだけ良ければとか、自分たちの入籍だけで済ませることも多いようだが、本来は、新しい家族ができる儀式でもある。そういう意味では、相手のご家族の人柄なりに接し、誠にいいご縁を頂いたと思っている。我が家としては初めて東日本に親戚ができた訳だ。逆に言えば、新しく親戚が増えるのは、結婚しかない。そうして親戚縁戚が広がっていく。
結婚する相手の家族を見ると、その人が、どのような環境で、どのように育てられたかがわかる。昔から、「結婚相手は、その親兄弟を見て決めろ」という言葉があるが、正に、三つ子の魂百までというように、育てられた家庭の中で、人格が決まるし、親の人格が遺伝する。子に責任はないのに、残念ながら、親の性格や育て方で、その子の将来が分かれてしまうのは否定できない。
これで、我が家の独身は残り1人。ちょっと頼りないが、優しいのが取り得なので、どこかで奮起してくれることを期待しないでおこう(笑)