鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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661 異常現象

   

5月、この時期としては異常な高温が続き、今年も「新記録」や「観測史上初」という言葉がニュースで流れる。地球の気象の大きな周期なのか、少しづつ地球と太陽の距離が近づいているせいなのか、人間が作り出した温暖化ガスのせいなのか。それとも開発による緑地減少の影響なのか。

先日、ゴルフをしていて、結構な気温なのだが、その前に同じような気温で行ったゴルフ場より、気持ち涼しく感じる。なぜだろうと思って見渡すと、コースの周り全体を結構高い樹々が取り囲んでいる。そこに広範囲の日陰が出来て、そこを通る風が冷やされてくるようだ。先のゴルフ場は、それが無く、直接照り付けるから、両者では体感温度がずいぶん違う。樹々は、目にも優しいし、日陰を作ってくれるし、地下に水分を蓄えて、土地の乾燥を防いでくれる。人間は目先の利益で、その樹々を伐採している。

異常と言えば、気候だけではない。このところ、続け様に子供を巻き込んだ、痛ましい交通事故や、家庭内暴力致死、そして川崎市の無差別殺人事件が起きた。もちろん、前触れ無く殺されたり、重傷を負った被害者とその家族が一番可哀そうで、悔しいだろうが、そうなった犯人も哀れだと言える。

なぜ、そんなことをして、なんで自殺したのか。その原因は何だったのか。本人は死んでしまえばそれまでだが、その親や家族は一生、その罪を代わりに背負っていくことになる。

異常な事をするのには、必ず原因は有る。まず考えられるのは、薬物使用と精神的な疾患。つまり精神異常。その精神異常になるにも原因がある。三つ子の魂百までというように、基本的な人格は小学校に行く前に決まる。それは親の育て方、教育、躾け。その子供の時代に、親がいなかったり、親の不仲や離婚、親からの虐待、周囲からのいじめや、孤独感などは、当然人格形成に支障を与えるはず。そこで基本的な人格が出来ていないと、大人になって、周囲からの言動や、失恋、仕事のミスなどで、自分をコントロールできなくなってしまう。これが、更に薬物使用や暴力などに結び付くこともあるだろう。

もう1つの要因として社会の変化。個性教育と言って我儘を増長したり、都会では近所付き合いが無くなって孤立する人間が増えたり、表現の自由と言って、わいせつな雑誌や画像、ゲームを野放しにする。私は、都会のあの通勤ラッシュを毎日経験したら、それだけでもストレスで異常になると思う。犯人に、もしも信頼できる仲間や相談できる上司がいたら、違っていなかったか。

私は、親らしい親と、家族に恵まれ、教師らしい教師に出会い、多くの友人や先輩、会社や団体の仲間、心を癒してくれる環境や、飲み屋や飲み友達に恵まれてきたことに感謝したい。ただ、それを創るのも、自分自身の気持ちや努力であることも間違いない。

とにかく、こういう事件では、犯人と被害者のみに目が向けられるが、そういう事件が増えている背景をよくよく分析して、そろそろ人間としての生き方や社会のあり方を変えるべき時に来ているのではないかと思う。亡くなった人は帰ってこない。起きた事件も、元には戻せない。予想も出来ない犯罪は、防御にも限界がある。元から治さないと、これからも異常な事件は続くだろう。

 - 雑記

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