612 デコポンとしらぬい
デコポンと言えば、果実の根元の部分がポコッと盛り上がった、ちょっと変わった形の柑橘で、食べると糖度が高く、中の皮も抵抗なく食べられる優れもの。
前にも書いたが、これは清見という柑橘と、ポンカンを掛け合わせてできたみかん。
清見も掛け合わせで出来たみかんで、ポンカンはインド原産のみかん。
元々は、出来た時の形が変だったので、とても商品にならないと見捨てられていたものを、熊本の生産者に拾い上げられ、県南地区の特産品として、救世主に成長した、まさに醜いアヒルの子なのだ。
このデコポンと同じ形の柑橘が、「しらぬい」または不知火として店先に並んでいるのを見たことがあると思うが、これは全くの同種類。
「しらぬい」というのが、本当の種類名。
余談だが、このデコポンについては、熊本のJAと弊社で、20年以上前に、加工品の開発を始めたことから、現在も加工については、商標の絡みもあり、弊社が一手に行っている。
さて、デコポン・しらぬい、その名前の違いには2つの理由がある。
1つは、熊本のJAでは、しらぬいの中でも、糖度が13度以上のものだけをデコポンという名前で販売することを決めた。いわばブランド名なのだ。
ということで、糖度13度未満のものは「しらぬいと」して販売することになっている。
次に、このデコポンと言う名称は、JA熊本果実連で商標登録しており、以前は、熊本県内のJAしか使えなかったが、10年程前に、全国のJAに使用を認可した。
しかし、JA以外の、所謂、商人扱いのものは、デコポという名前の使用が許可されていないために、全て品種名の「しらぬい」として販売されている。
以上の2つの理由で2種類の名前があるのだが、実際は末端で、13度以下のものや、商系のものもデコポンの名前で販売されることが多く、デコポンの信用失墜の原因になっている。
異常に安いものは、その辺を覚悟して買って欲しい。
同じものでも、名前が違うものに、デコポンの名前の違いとは別物だが、出世魚というものがある。例えば、ブリという魚の場合、ある程度の大きさになると、ヤズと呼ばれ、更に大きくなるにつれて、ハマチ、メジロ、そしてブリと変わる。
昔は、人名だって、武士の時代、大きくなるたびに代わっていた。
例えば、藤吉郎から秀吉、竹千代から家康など。
今でも、襲名や改名というものはあるが、デコポンのような品質の差ではない。笑
人を品質の差や外見で例える呼び方はデコポンやブリより多い。
いい人・素敵な人・可愛い人・素直な人・出来る人・美男美女・イケメン・ダメ男・根性もん・根性なし・ブス・ブ男・デブ・ノロマ・ヤバい人・・・・
(不適切な言葉が含まれていますので、該当する人は読まないでください)
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