562 米中間選挙結果
これまで、無茶苦茶な言動を続けても、トランプ共和党の議席が減らない。
もちろん、大統領選挙ではないので、立候補者個人の人柄や人気が、党の代表の問題を越えて当選することはあるだろう。
とにかく、今回の選挙で分かったことは、正に人間の本質を表しているような結果だった。
人は、本質的には、自分のための欲望というものがある。
それが、その本質のままに、自分の都合よく勝手に発言や行動すれば、秩序も道徳も無くなってしまう。
それを抑えるのが、人間に備わった理性である。
目の前にあるもの全部欲しいが、自分だけで独り占め出来ない、他の人のことも考えるという理性。自分のやりたいようにしたいが、それじゃ人に迷惑かけると言う理性。
今のトランプ大統領のやり方は、正に前者の、アメリカさえ良ければ、他の国のことなど知ったことじゃないという姿勢。
一方、対する民主党は、自分だけ、アメリカだけ主義は、国内の人種間差別や、国際的な紛争の火種になるようなもので、先進国アメリカは、そんな利己主義な国になってはいけないという両者の対立。
その一つが、オバマケアと呼ばれる国民皆保険制度の導入を巡る対立。
日本は、すでに皆保険になって、社会保障負担はあるが、大きな怪我や病気になっても、治療費が抑えられ、安心して生活できる。
アメリカは、保険は個人責任の為、富裕層はいいが、貧困層は、大きな手術や治療が受けられない。
最先進国のはずのアメリカだが、社会保障や銃規制では、日本の方が、何歩も先を行っている。それだけ、日本は互恵、協調を極めた素晴らしい国なのだ。
今回の選挙で、アメリカにも本来の人種ではなく、考え方による2種類の人種が存在することが分かった。
なぜ、理性有るはずのアメリカの民衆が、あの狂気じみたトランプ大統領を支持するのだろう。
やっぱり、アメリカ人には、根底に自分たちが世界一という考えがあり、それを遅れてきた黄色人種に脅かされるのは耐えられない。アメリカ第一主義を掲げる大統領は、今まで世界の平和や民主化を助けて来たアメリカが、輸入攻勢などで恩を仇で返されているような鬱憤を晴らしてくれている。
手ごわい悪者が、味方になって、別な敵をやっつけてくれると、応援してしまう現象かも。
それでは、我が国の敵の敵は、やっぱり味方か。
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