鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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527 最低賃金引上げ

   

 我が国の最低賃金の、平均時給26円の引き上げが決まった。
昨年に引き続き、過去にない割合で引き上げられる。
 大都市圏はより高く、地方との格差がまた開く。

 選挙に向けて、陰りの見えたアベノミクスを実感させるためじゃないかと思ってはいけないのだろうが、過去にかなり難しかった引き上げが、政府主導で、いとも簡単に決まっていく。
 法律で、賃金が上がることは、労働者にとって歓迎することだろう。
 なかなか、給料を上げてくれない会社も、上げざるえないのだから、社員は有難い。
しかし、賃金が上がると、当然コストが上がり、物価も上がる。上げざる得ない。

ニワトリと卵みたいなもので、どっちが先かというだけの話だ。
 給料が1000円上がって、生活用品が1000円上がる。賃上げを理由に、生活用品が1200円上がったら。。。。
 そして、その結果として、日本の海外との競争力が弱まっていき、極端な場合、職場がなくなる。
 物価が上がれば、国民の消費税負担も多くなり、国は税収が増えるだろうが。

 私も、サラリーマンの時代は、給料が上がることを喜んだし、ある程度、年数や年齢に沿って上がって行かないと、貯金も出来ない、結婚も出来ない、家も買えない。
 ただ、会社も、それを受け入れることができたのは、入退社のサイクルが上手く行っていたからだ。定年制度によって給料の高い人が退職し、初任給と言う、退職する人より、ずっと低い給料で新人が入ってくる。
 だから、昇給して行っても、会社の総額はそれほど増えない。
また、昭和平成と、商売が拡大する環境があった。
 しかし、環境的には人口減少が始まり、海外との競争に晒され、地方や中小の会社は、新入社員がなかなか入らず、退年延長が増えているために、その基本構造も変わってしまった。

 重ねて言うが、今の時代は、国内の生き残り競争が、ほぼ終息し、海外企業との競争に変わっている。そうすると、中国や東南アジアの、日本よりずっと安い賃金で作られたものとの競争になる。
 かつては、メイドインジャパンは、価格が高くても売れたが、技術移転が進み、それほど品質の差は無くなっている。
 そうなると、コストが高く、価格差が大きいことは致命的になる。
政府は、メイドインジャパンを輸出奨励をしているが、一方では足を引っ張っているようなもの。
 これを経営革新で乗り越えろ。乗り越えた会社だけ残ればいい。と言うことだろうが、そうなると、地方の中小会社は潰れて、益々過疎化が進む。
 どうも、今の政治の方向は、一極集中に加担しているような気がする。
政治が傲慢で内向きになると、ゆとりと優しさに乏しくなる。

 賃上げは、経営者が、日頃の社員の労働に対して、感謝の気持ちで上げていくのが本筋だろう。それこそは、努力して利益を出して分配するのだから、コスト上昇に繋がらない。
 

 - 信念, 政治経済, 社会, 経営

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