働き方改革
言いたいことは分かる。
世界から、日本人は働き過ぎと言われ、長時間労働による惨事も起きた。
もっと、人間らしく、休みを取り、家族ふれあいの時間を増やす。いいことだ。
しかし、これを進める陣容に問題がある。
政治家・大学教授などの学者・評論家・現場を知らない労働者代表・官僚・・・
起きた事件や、記事を読んだり、伝聞だけで決めつけて、生産現場や労働現場の実態を知らない。東京都心で物事を考える。
労働現場の大半は地方にある。だから、法律が頓珍漢な内容になってしまう。
まず、今の日本の奇跡と言われた戦後の復興と成長は、間違いなく国民の勤勉さと、世界から称賛される働き方によることは間違いない。
それも、奴隷制度のように強制的に働いたのではなく、家族のため、日本復興の為にだ。
私の父も、戦後南方から帰還し、戦前は満州鉄道という会社の会社員だったため、故郷に帰ってから、祖父が準備していた果樹園を、家族で新たに開墾して広げていった。
暗くなるので働いたし、私も手伝ったが、みんな汗を流しながらも明るかった。
遅くまで働くのは、自分たちの将来の為だったからだ。周りもそうだった。
やがて、その地域は、みかんで潤い、復活した。
もちろん、働くより休みが多い方が、みんな楽なのは当たり前。しかし、生産がなければ日本も家庭も成り立たない。
公務員や商社などは、確かに休みを多くしても、社外で出来ることもあるし、やり方を変えれば時間短縮できる。
しかし、ものを作る工場などは、稼働時間が生産量となり、稼働時間を2割減らせば、当然生産は2割減る。ものを売る、食事を提供する業も、生産程ではないが、比例する。
合理化、機械化には投資が要るが、今の日本は、縁の下の生産現場ほど儲からない仕組みになっており、製造業でトヨタや本田の好業績も、下請け会社の犠牲の上に成り立っているようなものだ。
本当なら、こちらの格差を是正する方が先だろう。
同一労働同一賃金という言葉にも違和感がある。
まるで、昔の共産主義を連想させる。
同じ仕事をしても、頑張る人と怠ける人。能率や品質のいい人、そうでない人がいる。
それを同一賃金にしたら、みんなやる気を無くすし、日本の高い生産能力は、失礼だがロシア並みになるはずだ。
大体、そんなことを決めて、指導する役所の方が、その面では問題があるのではないか。
正職員と臨時職員が同じ仕事をしているが、待遇は全く違う。
霞が関は、夜中いつまでも電気がつき、タクシー帰宅も多い。
違法なことや、問題があれば、取り締まったり指導したりするのは当然必要だが、日本は民主主義で資本主義国家だ。民間のことは、民間で決めればいい。
いつから、国民より、公務員の方が偉くなったのだろう。
民間会社のたたき上げの社長が、市役所の若い担当者から、さも、もっともらしく指導される。それに誰も違和感を覚えない日本。平和で不思議な国だ。
次から次へ、法律を作って、国民や民間会社を縛って、更に公務員の地位を高めている。
これを是正するのは、我々が選んだ議員しかいないのに、彼らも、その公務員に先生と言われながらも、どちらが先生か分からない。笑