労働行政の矛盾
ちょっと難しい題目になってしまったが、本当に経営者として呆れている。
今回、労働者保護と称して進められれている「裁量性労働時間」の他に、大きな柱が3つあることは、ある程度メディアを通じて知られていると思う。
何か、間違った労働者保護になっていないか、まあ、間違いが多いのが今の政治だが。
1 同一労働同一賃金
2 長時間労働の禁止
3 副業を禁止しない
まず、同一労働同一賃金だが、これをやったのが旧ソビエト連邦の共産主義。結局は誰でも同じ仕事をやれば、給与は同じにしなさい。差をつけては駄目ですと言っている。
そして、結局は、誰もが頑張ろうが頑張るまいが、給与は一緒だという事で、誰も頑張らなくなり、生産性が低下して国が崩壊した。
中国もそうなりかけたので、慌てて資本主義を組み込んだ。
誰も無理して、高校にも大学にも行く必要はない。会社に入れば、能率・効率を上げる必要もないし、営業で頑張る必要もないよと奨励するようなもの。
年功序列の日本が、これじゃ先進国に追いつかないと、努力や成績を勘案する昇給昇格制度を取り入れて、まだ半世紀も経たないうちに、逆戻りさせようとする。
根源、この延長上に、仕事が出来る身体能力と環境があっても働かず、収入がなければ、働いている人並みの生活保護で、みんなと同じ暮らしをしてください。みんな平等に暮らせますよ、という逆平等の政策がある。
こんなことをやっていたら、国力は落ち、財政も悪化し、本当の弱者が救えなくなる。
長時間労働を禁止と言うが、季節性の強い産業や、鮮度保持、夜間の仕事、運送業などなど、我々の社会には、一律に考えられない仕事がたんさんある。
政府や官僚は、電通事件をきっかけに、東京近辺の事務や営業職のような業務しか考えていないのではないか。何より、本家の霞が関のサービス残業の長さは有名だ。
一番の矛盾は、長時間労働を禁止していながら反面、副業を認めるということ。
何のために、企業が副業を禁止しているのか。
まさに、労働時間が長くなりすぎて、体調を崩し、本来の仕事に支障を来すからに他ならない。
例えば、銀行勤めの女性が、残業はしないでも、副業にスナックのバイトを朝2時までやったとしたら、どうなのだろう。ミスの可能性は跳ね上がるはずだ。
機械工などは、もっと危険性がある。
銀行員が、副業に投資業をやったら、または貸付先で副業をしたら(笑)
もしも副業を認めるからと、企業がその社員への待遇を低下させれば、結局、個人の時間当たりの待遇が低下する恐れもある。
私としては、やはり、成績や努力の違いで給与に差が出るのは当たり前のこと。それを無くしたら会社の発展はないと思っている。
長時間労働は、労組のお偉方の見識だけではなく、もっと現場の大多数の労働者の意見も取り入れて且つ、その業態に合わせて柔軟に制度化するべき。
政府は、副業を認めるということを、綺麗ごとで「自由で多様な生き方」とか言っているが、一つ間違えば、それが権利化して、今まで日本の企業を、世界に誇れるものにしてきた労使社会を、ガタガタにしてしまう可能性もあることを認識しておいてもらいたい。
「ごもりとも!」