二次災難
今朝の農業新聞に、豚肉の売上が落ちていると載っており、その原因が野菜の高騰らしい。
野菜が高くなり、家庭で鍋物を作る頻度が落ちたために豚肉の販売が落ちたと言う。
なるほど。夏が暑いとビールが売れるし、雪が少ないとスキー場が厳しいというのはすぐに連想できるが、野菜高で豚肉が売れなくなるまでは考えなかった。
何事か、普通でない現象が起きた時に、それによって引き起こされる次の現象を予想することは、経営にも重要な要素だ。
だからこそ、天候によって影響を受けやすい企業が、高い金を払って、気象予想会社と契約を結んで、その年または長期予想を取り入れて、生産計画を立てるわけだ。
私たちの会社も同じく、農水産物を原料としているので、先々の生産予想をして、例えば、ある作物が将来減少すると予想すれば、それに代わる商品開発を模索していく。
だからこそ、20年前の商品構成と現在のそれは、かなり違ったものになっている。
投資もそうだろう。
例えば株式投資の場合、短期の操作狙いの投資は別として、どういう産業や企業が今後有望になってくるかを見極めることが秘訣となる。
私は株式投資を含め、経営者でいる間は、本業以外の投資をしないと決めているが(実は投資する金が無い)もしも長期に投資するとしたら、環境や衛生関連は今後伸びると思う。
まだ、中国も東南アジア、それに何といっても人口が増えるアフリカなどでは、まだまだトイレなどの衛生設備は緒に着いたばかり。
シンガポールなどの裕福な国でも、ウォシユレットは1割も出来ていない。
そうなると、TOTOなどの衛生機器メーカーは買い。日本の化粧品や洗剤メーカーも有望。
当面は、人手不足からロボット関連は伸びるだろうし、長い目で見れば、供給が厳しくなる食料関連もおもしろい。
逆に、厳しくなる、または当面厳しいと思われる産業もある。
例えば、百貨店やスーパーはお互い垣根が無くなったり、ドラックストアやコンビニの攻勢により今後も厳しくなる一方。反面、通販はまだ伸びる余地が大きい。
東南アジアが裕福になり、日本が熟年社会になると、これから20年くらいは旅行や航空業界は好調だろう。ただ、その後は少子高齢化による負担がのしかかってくる。
もちろん、産業分類だけで判断はできず、その中でも企業間格差が益々大きくなっていくから、その見極めが重要。
二次災難と書いたが、二次受益もあるわけで、何かの出来事や好転することで、その恩恵を受ける企業もあるわけで、災害があれば土木や建設が潤う。これから自然災害が多くなると思われている。
運送業も、運転手が集められない会社は厳しいが、それが出来る安定した運送会社は、恐らく値上げができる環境になり、増益の可能性が大きい。
とにかく、今起きていることや、今後起きる事象を予測して、その先の変化を読み取ることが自分にも、企業にも、投資にも大事だということ。
誰かが儲かれば、誰かが損をする。これは永劫変わらない。