鶴の一声

靏繁樹が日々考えたことや思いついたことを徒然とかきます

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栗からミカン

   

 このブログをいつから書き始めたのか振り返ってみたら、2015年の3月4日、題目は、「日本のお寺」次が「地方創生」それから約2年半続けているわけだ。
 もう、500号近くになっているのではないかと思うが、番号をつけておけば良かった。
とにかく、書き始めから2年半は歳を取ったことになる。
 このくらいの期間では、最初の頃のブログを読み返しても、あまり変わってはいないが、これが10年も経つと、恐らく政治も会社も生活環境も、友達も家族も変わっているのだろう。

 さて、季節は廻り、この九州中北部地域では栗が終わり、みかんの収穫が始まった。山田の方から稲刈りも進んでいる。あぜ道には彼岸花が咲き、山は色づき、落葉も始まった。
 以前にも書いたが、果物は、野菜などの単年作物に対して、何年も同じ木が栽培されるので永年作物と呼ばれ、天候の影響を受けやすい。
 
 昨年は、栗が台風に見舞われ、大減産となり、価格は暴騰した。一般にお菓子などに使われる栗は、加工する人手不足の問題で、30年前に国産から韓国産に移行したが、ここ数年の国産ブームで、再び国産栗の人気も高まったことで、国産栗の価格が上昇していところへ、大減産が重なり更に急騰した。
 今年は、豊作年だったが、昨年の余波で、市場取引は高値で始まった。しかし、主産地の熊本を通ると思われた台風が太平洋側に逸れて被害が無かったことで、その後急落した。
 下落したと言っても5~6年前の価格よりずっと高いレベル。
もう、永年作物である果樹などの農産物は、生産量が減る一方なので、余程品質が悪い年を覗いて、大幅に下がることは考えられない。

 みかんも、昨年は夏の猛暑干ばつで、糖度が上がり、近年にない美味しさで、異常な高値となった。例年なら、終盤は価格も落ちてくるのだが、昨年は尻上がりに高くなり、そのため、相当の下級品質まで青果として出荷され、ジュースや缶詰に使う原料が大幅に不足した。
 今年は、夏場も適当に雨が降り、更に9月以降も余計に降ってしまったことで、糖度が下がり、食味が落ちて、昨年と反対に価格が下落している。

 我々、農産物を加工するメーカーにとっては、農産物が高くなりすぎて、原料が十分に確保できないのも困るが、安くなり過ぎで、生産者がやる気を失くすのも困る。
 因みに、我が社で使用する年間の原料は、みかん2500トン・デコポン500トン、甘夏650トン・たけのこ650トン・びわやメロン各40~50トン、集めるのは結構大変。
 後は、魚介類や肉類、小豆やパインなどは商社から購入するので、生鮮農産物ほどの不安定さはない。

 農産物に関して一番いいのは、生産者が品質を厳選して、青果市場に出荷し、例えばみかんの場合、外観の悪い物やちよっと酸味が強いものを、きちんと加工用に分別してくれれば、青果価格も維持できて、加工商品も継続できるのだが、多少品質が悪くても、高く売れれば高い方に出すのは当然の心情だろう。
 また、今日も雨が降っているが、この雨も、みかんの味を落としてしまう。
どんなに生産技術が進んでも、自然の天候には太刀打ちできないのが実情なのだ。

 栗は、ある程度、収穫後も保存が効くが、みかんは味の変化や腐敗が早い。特に極早生と言われる、10月の初めから出回るみかんがそうだ。だから、本来は、この時期の生産量を減らして、年明けに出荷できる晩生といわれる品種に切り替えて、バランスを計れば、こんなに不安定にならないのだが、分かっていても、自分だけはと極早生を作り続ける。
 政治も、農業も、商売も、自分だけは。。。。

 - 農業, 雑記

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