トランプ爆弾
本当に1人の政治家の言動が、これほど世界に影響を与えるものだろうか。
トランプ次期大統領の発信する言葉で、何も根拠が無いのに、思惑だけでドル高が進み、中国が騒ぐ。
更に、ロシアと日本の関係や、台湾と中国の関係にまで影響する。
1か月で、円が15円も安くなった。
それで、輸出が良くなるだろうと、輸出株を中心に日経平均株価は200円も高くなった。
私は、年末2万円を公言していたが、それはトランプさん以前の問題で、日本の底力と自民党の安定力を信じてのものだったが、まさかこんな形で株価が2万円に近付くとは思いもしなかった。
それより、大方の人は、トランプさんを知らなかったと思う。
何かが変わった訳でもないのに、ただ、トランプさんの発言を勝手に景気上昇に結び付けているだけ。
そうであれば、当然、期待ほどに変化が出なければ、反動がある。
今の株価や為替は、トランプ相場だ。
ただ、そんな何にもないことをきっかけに景気が良くなれば、それに越したことはないが、世の中、そんなに甘くはない。
誰かが、得すれば、誰かが損している。誰も、ずっと損し続けることは出来ないので、いずれは得する者が損する。
仕掛けた人間は、その利益を残すかも知れないが、何もわからずに、乗っかった者の殆どは、時が来れば、それまで得た利益以上に損をするというのが定石。
昔と違って、自動車、電機メーカーも、国外生産の割合が増えているので、円安になっても、それほど大きな利益にはならないし、資源のない日本にとっては、貿易赤字が大きくなり、日本の資産が細ることにも繋がる。
私の好きな海外旅行費用が高くなる。海外から来ている研修生の実質収入も減ることになる。
ただし、ドル高と円安は同じではない。他の通貨に対して、ドルだけが高くなれば、円と元、円とウォンの価値は変わらない。
円安になれば、燃料だけでなく、輸入に頼っている農水産物がドル契約であれば、当然値上がりし、家庭の食費が増える。
会社で仕入れる原材料費も上昇する。
何度も書くが、やはり為替は国力のバランスのいいところで安定するのが一番いい。
みんなの努力が、為替変動で無になるのは虚しいことだ。
トランプさんが、為替を意識して発言している訳ではなかろうが、結果としては為替に影響を与える。与えるというより、それを為替操作に利用されていると言ったほうが妥当かもしれない。
これからもトランプさんの言動からいろんな現象が起きるだろう。
経済的な変動は止むおえないとしても、政治的変動がエスカレートして、戦争勃発なんてことにはなってもらいたくない。
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