私たちは「こだわり」を持って、ゼリーや缶詰の製造販売を行っております。
もう20年も前の話になりますが、入社した当時、ゼリーや缶詰製造のことをほとんど何も知らなかったんです。だから、入社後に「東洋食品工業短期大学」へ入学させてもらい、缶詰の製造について学びました。製造の基本は専門の学校で学び、より実践的な技術や「食品をつくる」ための大切な心構えはマルミツサンヨーの現場でしっかりと学んできました。
「食品をつくる」ということは、一人が手を抜いたら、社員全員がやった努力が無駄になってしまう仕事なんですよ。何千個・何万個つくられる製品の中で、たった1個のゼリーや缶詰が美味しくできていなかったら、それを食べた方に「マルミツサンヨーのゼリー・缶詰は美味しくない」と思われてしまうんです。
だから、私たちは1個の完成品を全員でつくっています。だから、チームワークと仲の良さは九州一、いや日本一でしょうね。女性スタッフも多い職場ですが、「鹿ちゃん」と呼んでくれて、何でも気軽に話して、かわいがって(?)もらっています。
熟度・糖度・酸度・大きさなど素材のチェックポイントはもちろんいろいろありますが、つくっている方々との信頼関係が一番大切なんです。特に豊作の年には多いのですが、「安くてもいいから買ってほしい」と、その年だけ取引しようとする方もいます。でも、一度だけのお付き合いではお互いに信頼が築けません。
私が素材として選ぶ国内のさまざまな自然の恵みは、天候や産地など多くの要因により収穫量が増減します。毎年、よりよい素材を確保するために、何年も何十年も生産者・仕入先の方々とお互いに信頼し合える付き合い方をしています。「安く仕入れたい」としか言わない食品会社には「安く仕入れられる素材」しか集まってきません。私たちがつくるゼリーや缶詰は「最高の素材」がないとつくれませんからね。
果物などの素材を見る目だけでなく、それを取り扱う人を見る目、そして、私自身もよい素材をつくっている方々から信頼される人間であることを日々精進しています。
たくさんある商品ごとに毎日必ず抜き取りチェックをするんです。缶詰は長期保存されることが多い製品なので、味に変化がないか、糖度やpH(ペーハー)などの数値を日々確認しています。「毎日変化がないと、ホッとする」という、変わった(?)仕事です。でも、缶詰は停電時や災害時など大変な時に召し上がられることもあるので、そんな時に少しでも「美味しい」と思ってもらえるようにしたいですから。
あと、私たちの会社では、1年間に合計8回以上、卸先の大手食品会社や品質管理審査機関(ISO9001)から監査が入ります。別に何か問題を起こした(笑)のではなく、起こらないようにするための監査ですね。常に外部の目に見られていることで、品質を保つだけでなく、もっと向上させることができます。製品の味や衛生面、管理面などへ気を配っていることが通常の業務として定着しているので、毎日監査が入っても大丈夫です!
いつも同じ味で安心と美味しさが届くように、毎日のチェックをがんばります。
この会社は、大きな家族みたいなものなんです。ほとんどのスタッフが会社の近くに住んでいて、小さな頃のことや家族のことも自然と知ってますからね。社員食堂はないんですが、お昼は製造部のスタッフがお味噌汁を作ってくれてたり。それに働ける間はずっと会社にいてもらうので、基本的に定年がないんですよ。最年長は78歳ですね。私より元気で、毎朝大きな声であいさつしてくれます。
全部で100名くらいの小さな会社ですから、大企業のように専門家が大勢いるというよりも、皆でいろいろな小さな仕事をカバーしながら、助け合って成り立っています。助け合いやすい雰囲気・会社の風土を築くことや、その関係をもっと成長させてくれる方を採用し、将来に渡って、マルミツサンヨーという大きな家族が、ずっと続いていけるようにすることが私のミッションです。